ワイン/ワインが際立つ飲み方と料理

チタンのグラスでワインを飲んでみる

ガラスの成分にチタンを加えたワイングラスは、一般のクリスタルグラスとどう違うのか? そのメカニズムと使用感を比較してみた。

執筆者:橋本 伸彦

水晶の輝きをグラスに

高級ワイングラスの多くは材質が「クリスタル」。では、クリスタルガラスとはいったい何だろうか?――この問いに具体的に答えられる読者は少ないだろう。

クリスタルは英語で「水晶」を意味する。水晶の輝きに喩えられるように透明に見えるガラスが、クリスタルガラス。原料のケイ素などのほかに酸化物を加えて透明度や屈折率を上げたガラスである。酸化物はさまざまな物質やその混合物が使われるが、最も一般的なのは酸化鉛を使った鉛クリスタルである。

このショールームに飾られたグラスは鉛を含まないクリスタル。では鉛の替わりに何を使っているのだろう?

これはワイングラスなどの食器用、シャンデリアやビーズなどの装飾用、レンズなどの光学機器用などに使われる。酸化鉛の含有量が多いほど屈折率と比重が高くなりグラスの輝きや打ち合わせた時の音色が良くなるが、ガラスの調合から製品の仕上がりまで製造過程で高度な技術を要する。これが「クリスタルは高級品」とされる由縁である。

鉛クリスタルの品質は各国の基準をクリアしたものが出回っているが、資源としての鉛は量が限られており、鉛の地表環境への拡散を防ぐ必要もある。そこで、鉛クリスタルの酸化鉛をほかの物質で置き換えた、新たなクリスタルが開発されているのだ。

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