ワイン/ワインが際立つ飲み方と料理

チタンのグラスでワインを飲んでみる(3ページ目)

ガラスの成分にチタンを加えたワイングラスは、一般のクリスタルグラスとどう違うのか? そのメカニズムと使用感を比較してみた。

執筆者:橋本 伸彦

軽く丈夫で地球に優しく


ツヴィーゼル社のトリタンワイングラス『ショット・ツヴィーゼル』には多くのシリーズあるが、その中から『ヴィーニャ』シリーズのボルドー、ブルゴーニュ、フルートシャンパンという3タイプのグラスを実際に使ってみた。ボウルはかなり薄手で使用時に脣に触れる縁は薄くやや丸まっており、グラス表面はなめらかで硬い。グラスを手で持った感じは、鉛クリスタル製で同様サイズのものと比べてかなり軽い印象だ。

鉛クリスタルのグラスを打ち合わせると、やや金属的で響きの長い「チン」という音がする。今回使ってみたグラスは鉛クリスタルより軽い材質で薄手に作られているせいか、どちらかというと「カン」という軽く硬質な響きで、鉛クリスタル同様に響きは長かった。トリタンのグラスでも肉厚だったりと形状が違えば音色も違うだろうが、鉛クリスタルとはかなり違う質感である。

ショット・ツヴィーゼル ヴィーニャシリーズのグラス左からボルドー、ブルゴーニュ、そしてフルートシャンパン(画像提供:ツヴィーゼル・ジャパン)

ワインを入れた時の香り立ちは形状にもよるので、鉛クリスタルの同型のグラスと並べて使ってみないと正確な比較は出来ない。だがトリタングラスに使われる酸化チタニウムは日焼け止めクリームに反射剤として配合されるような素材で、また酸化ジルコニウムは義歯の素材などに使われており、どちらも化学的に安定した人体にやさしい素材だから、ワインの風味にも環境にも強い影響はなさそうだ

ワインを飲むときにも地球環境のことを考えるあなたなら、丈夫で長く使える上に捨ててから環境に優しいグラスを選ぶにちがいない。ツヴィーゼルのグラスは、そんな時に有力な選択肢となるだろう。

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