アカザエビを満喫する

ロブスターと同じく高級食材として知られるアカザエビという海老がいる。ハサミ部分が細長いので手長海老と呼ばれることもあるが、これは俗称で正式な「テナガエビ」は全く別物。アカザエビの透き通った殻とネットリトした肉質はアマエビを思わせる。これをグリルして甲殻類の殻から取った出汁に赤ワインとンドゥイア(カラブリア州名産で中身がペースト状の辛い腸詰)を加えたソースをからめ、下仁田ネギを添えた料理が供される。アカザエビは季節によって産地を替えるが、12月から1月頃までは真鶴産を使う。

『真鶴産アカザエビの軽いグリリア 甲殻のソースと下仁田ネギのピュレ添え』

尾の部分の身に殻をつけたまま腹側からこんがりと焼くので、背中側にかけてはやさしく加熱される。レア状の部分はねっとりと舌にまとわり付き、半生に加熱された部分は甘味が際立つ。そしてよく焼けた部分には香ばしさやプリプリとした弾力がある。アカザエビの持ち味が、さまざまな火入れ度合いで存分に楽しめるのである。さらにはソースをからめて濃厚な旨味や辛味を加えたり、とろりと甘い下仁田ネギを乗せて甘味のハーモニーを楽しんだり……エビ好きにはたまらない至福のひと時である。

この料理に二本松さんが合わせてくれたのは、トスカーナ州のヴェルナッチャ種のブドウで造った、たっぷりとコクのある白ワイン『リ・エレミ ヴェルディッキオ リゼルヴァ』。500リットルと大きめのオーク樽で醗酵と18ヶ月の熟成を行ったもので、ほろ苦い柑橘系のアロマやふくよかな果実味に、香ばしい樽香が添えられている。「樽の香ばしい風味を利かせて、ふくよかに仕上げたワインです。産地が海に近い上に海産物と共通するミネラル感が感じられるワインなので、地理と味わいの両面で素材とワインが調和するのです」との説明になるほど納得。