大樽とオールドヴィンテージがひしめく蔵
「こちらへ…足元に気をつけて」支配人のパウロ・メスキータ氏に案内されて階下へ降りると、ブサコワインの酒庫がある。通常は公開していないのだが、セラー内部を見て回りながら試飲することが出来た。ホテルの地下には機械設備があるからだろうか? 11月にしてはセラー内の温度は少し暖かく、ワインの香りが立ち込めている。ほの暗い電球の明りに照らされて見えるのは、大樽・小樽そして瓶詰めされて棚に収まったボトルの数々である。別に設けられたコンクリート製の貯蔵庫もあり、ロウで瓶口を固めたボトルが積み上げられている。貯蔵庫の所々では染み出したワインが垂れた跡がついている。
ワイナリーからブランドへ
ワインを試飲する。このように古風なワイナリーのワインは往々にして「おじいちゃんの味」とでも言おうか、懐かしいような味わいがあるものだ。ホテルを紹介する書籍には「ブサコワインは今でも古式ゆかしい製法で造られます。ホテルに運び込まれたブドウは足で踏み、平桶で発酵」と書かれている。しかし試飲したワインは意外とモダンでフレッシュな印象があった。支配人によると「今はここで造っている訳ではないのですが…」とのことで、ドウロやダンといった近隣のワイン生産地で醸造している。並んでいる古樽は長期熟成には使われていないようだ。長い歴史の中でブサコワインは、ワイナリーからブランドへと移行してきたということだろう。
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