ワインを飲まないフランス人に
フランス人やドイツ人だったら誰でもワインに詳しいだろうと思うのは、例えば「ニッポン人なら寿司ぐらい握れるだろう?」と思うのと似ている。ふだん口にしている食品でも、詳しくない人が大半である。ワインをいつも飲んでいるのと、ワインに詳しいのは別だ。それに、何かの「本場」と目される場所に居合わせているからといって誰もが専門家と言うわけではない。また、農産物の産地では愛着のある名産品が「一番」とされがちだ。ワインにも当然、ご当地びいきの傾向はある。だが、ちょっと待ってほしい。あなたは消費者ではないか。世界各国のワインが手に入る日本にいる、それだけでもラッキーなのに、○○がイチバン!と決めてしまえば、それ以外のもっと美味しいワインを見逃すことになる。
若者のアルコール離れが顕著な日本と同様、すでにフランスの若者の大半はそもそもアルコールを口にしないのである。そんな状況だから、特定の国について「○○人によれば…」とか「××ではこうすると聞いた」という話は、もう一般的ではなくなっている可能性もある。
では、どうしたらいいのか?