クリスマスにきらめくフェッラーリの泡立ち

プレステージで決めろ

先日、イギリスのウインザーで男性と結婚したエルトン・ジョン。とても幸せそうな笑顔だった。2005年のアカデミー賞授与式の際に、彼が開いたパーティーで供されたのは『フェッラーリ』である。

なに？車の会社がラベルを貼ったんじゃないかって？いやいや、車でフェラーリが有名なら、まったく別の会社である「スプマンテのフェッラーリ」は知名度で負けていない。輸入元によると、世界第9位の年間生産量500万本という会社である。

大手なら味はまあそこそこで、ブランドで売ってるの？と思うかもしれない。これもハズレである。イタリアの北部トレント地区の瑞々しいスタイル。だが、どのワインもソフトにバランス良くすっきりした味わい。これは、かなり旨いではないか…

ペルレは真珠を意味する。細やかな泡がグラスでさらさらと連なる

特に最近リリースされた2000年ヴィンテージ『ペルレ』は値打ちだ。ほどよく熟成したヴィンテージキュヴェでありながら、価格はノンヴィンテージのシャンパン程度である。ナッツのような酸化熟成の重厚な感じ、熟した果実味がありながら、かんきつ類の皮のような爽やかさも十分。シャルドネだけを使ったワインとしてかなりゴキゲンな仕上がり。エルトン・ジョンもなかなか買物上手である。

フェッラーリの基本

イタリアは暑いからブドウがすぐ熟してしまって、酸味や繊細さが足りなくて高級白ワインは無理…そう思い込んでいる人は、フェッラーリを飲んでたまげることだろう。

トレンティーノ・アルト・アディジェ州はイタリア最北端で、スイスやオーストリアと国境沿いに接している。アルプス山脈の麓に広がる地帯でブドウが栽培されるが、その中にトレントという町そしてその名をつけたワイン地区DOCトレントがある。

ベーシックなキュヴェのラベルは切手にもなった

創立者のジュリオ・フェッラーリはドイツとフランスで醸造を学んだ。1902年というから100年以上前に、シャンパン同様のクラシックメソッドでスプマンテを造った最初期の人間である。それだけでなく、フランスから持ち込んだシャルドネをイタリアでスプマンテに使ったのは彼が初めてだったという。

その彼の名を冠したワインが造られているが、これがまた…

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