有機認証を取得
リリースされて間もない2003年ヴィンテージのキャンティ・クラシコは、有機栽培の認証を取得した。1980年代から次第に自然な栽培方法に移行して、2000年には完全に有機栽培に踏み切っている。「有機栽培しているワイナリー?キャンティでも多くはないわね…でも少しずつ増えているかしら」とエマニュエラ。裏ラベルを見てみよう。VINO PRODOTTO CON UVE DA AGRICOLTURA BIOLOGICA とある。イタリア語で「有機栽培されたブドウで造られたワイン」という意味である。右下に Reg.CEE 2092/91 と書かれているのが、1991年に欧州委員会に定められたオーガニック製品に関する規定を意味する。
殺虫剤・化学殺菌剤・遺伝子組み替えは禁止。肥料や酸化防止剤の使用にも制限がある。栽培や商品売買の記録管理も求められ、これらをチェックする検査も行なわれる。これに加え、サンジョヴェーゼ種のクローン(同一品種の中でも選別されたタイプ)を自家選定して病害虫に強くしている。
ブドウとイノシシの幸福な関係
質問に少し考えてから答える |
マンマミーア!それは不運でしたね。せめてそのイノシシ、持って帰ってまるごと食べてやれば、憂さを晴らせたのでは?
「もちろんそうしたわ。ブドウやら何やら、おいしいエサを食べているから味は最高なの。昔はベジタリアンになろうかと思ったこともあったけれど、あの辺りのイノシシはあんまりおいしくて、食べるのをがまんするのはとても無理だったわ…」と述懐する。
エマニュエラは母と同様、料理に造詣が深い。彼女が書いたベジタリアン料理などの本は、数ヶ国語で出版されている。以前、ロンドンの書店で見かけた本の著者が他でもない彼女だと分かって驚いた。
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