テタレとは
マレーシア風テタレ
マレーシアは、紅茶の産地として知られています。例えば、キャメロン高原のBOH東マレーシア・キナバル山の山麓ので作られているTEH SABAHなど、いくつかのブランドがあります。
でも、一般庶民の好物は甘いコンデンスミルクをたっぷり使った「テタレ(Teh Talik)」です。
「Teh」は言うまでもなく、お茶を意味しますが、「Talik」は「延ばす」あるいは「引っ張る」という意味のマレー語です。このテタレは、少し濃い目にコンデンスミルクを混ぜ、上のカップから下のカップへ勢い良く注ぎ入れます。この動作をなんどか繰り返し、空気が液体に混ざり、泡たち、まろやかさが出だせるのだそうです。
ガラスのマグカップのようなコップにたっぷりと作られたテタレは、マレーシアの朝の風物詩ですが、このミルクティーの作り方は、中国紅茶やプーアールを利用したミルクティーに応用できます。
「泡たてる」ことの効用は、昔からおこなわれていること。日本では茶せんであわ立てることで、味わいがまろやかになる飲み易くなるのです。このような振り茶と呼ばれるお茶の立て方は、抹茶、バタバタ茶、ブクブク茶などに残されていますね。
マレーシアのテタレは茶そのものの泡というよりも、ミルクをあわ立てるという感じなので、どちらかというとカフェオレに近いかもしれませんね。
随分昔、スペインを旅したときに、毎朝別々のポットに入った珈琲とミルクを高い位置から同時に注いで作った「カフェ・コン・レーチェ」は、まさに空気が混ざった泡だったカフェオレで、まろやかな味わいだったのを思い出します。