茶書の実物を見る


裏千家センターに行こう


中国茶の歴史を紐解くと、避けて通れないのが唐代に書かれた陸羽の『茶経』です。

いまでは、故 布目帳風先生の『茶経詳細』などの解説本が直ぐに手に入りますし、同じく布目先生が訳された『中国の茶書』などが入手できるので、私たちも『茶経』に触れる機会があるのは嬉しいことです。

しかし、皆さんは、『茶経』の実物(といっても、もちろん実物は散逸してしまって、現存するものは日本はもとより中国にもありません。多くが明代などに写された写本です。)を見たことがありますか?

おそらく日本で古い時代の『茶経』を見る機会は、非常に少ないのですが、それを目にする機会が6月まであるのです。

京都・裏千家センターに併設されている「茶道資料館」では、丁度いま(2010年4月17日から6月13日)まで、『茶書にみる茶の湯の歴史』という特別展を開催しています。

裏千家センターの茶道資料館には、今日庵文庫という、日本有数の茶関連書籍の蔵書が約55,000冊も架蔵されていますが、今回の『茶書にみる茶の湯の歴史』特別展では、歴代の裏千家家元が収集したものを含め、約90点が展示されています。

もちろん、その展示の冒頭に登場するのが、われらが陸羽の『茶経』というわけです。

今回の展示で見ることが出来る『茶経』は、明代に喩政がまとめた『茶書全集』(1612年刊行)に所蔵されているものと、同じく明代に程榮伯仁が校本したものの二冊です。

さらに、南宋の時代に取りまとめられた『茶具図賛』(明代、玉茗堂主人閲)が展示され、中国茶の茶書の貴重な資料を、目の当たりにすることが出来ます。


茶道資料館で開催されています


もちろんこの展示自体は日本の茶の湯の歴史を概観するための貴重な資料を展示してありますので、単なる中国茶愛好家には、『茶経』と『茶具図賛』の二冊程度が直接の茶書ということになりますが、それだけではなく、中国茶がどのように日本に伝わったのかを考える上で貴重な資料なども展示されていますので、是非そちらにも興味を持っていただけるとうれしいなあと思います。

例えば、栄西の『喫茶養生記』や、岡倉点心の『THE BOOK OF TEA』の初版本、さらには、ユーカスの『All About Tea』なども見ることが出来ます。

さらに、英国紅茶論争と同じような『酒茶論』が1576年に日本でもまとめられていることなどは、とても面白いことですね。

この展示、6月13日まで開催されていますので、関西圏の方はもちろんのこと、他の地区の方も、京都へ足を運んだ際は、是非覗きに行ってみてください。

茶道資料館
住所:京都市上京区堀川通寺之内上る 裏千家センター内
電話:075-431-6474
HP:http://www.urasenke.or.jp/

茶書にみる茶の湯の歴史
入場:一般500円(茶席付き)