水の違いによるクリームダウン
微妙にクリームダウンを起こしたアイスティー
水の違いとは、ここではいわゆる硬度の違いです。硬度の高い水を使うほど、茶の成分が抽出されにくいという性質をもっていますので、硬度の高い水を使えば、白濁しにくいと普通は考えます。特に、カテキン類の抽出量はすくなくなります。
しかし、同一のアッサム紅茶の茶葉を使ってアイスティーを作る場合、硬度の高い水で抽出した場合、クリームダウンが強く現れるという実験結果があるのです。
このクリームダウンは、どうやらカテキンとカフェインの結合物によるものではなく、硬度が高い場合におこる水に含まれるミネラル分によるものであると考えられます。
では、最後に、アイスティーを作る際の留意点をまとめて見ましょう。
クリームダウンしないお茶の秘訣
いままで見たように、いろんな要素でクリームダウンが発生します。それらの性質をうまく工夫すれば、クリームダウンの無い綺麗な色のアイスティーを作ることが出来るようになります。1.茶葉は、小葉種のものを使う
紅茶なら、アッサムよりもキームン、ダージリンやヌワラエリアなどが適しています。そして紅茶より、烏龍茶、緑茶ほうが、クリームダウンなく綺麗な色のアイスティーを作ることが出来ます。
2.出来る限り軟水を使う
様々な条件の組み合わせはありますが、硬水による白濁を避けるためには、多少カテキンが抽出されやすい硬度であっても、軟水系統の水を使うことがお勧めです。
3.茶の成分の含有量をコントロールする。
出来る限りカテキンやタンニンを抽出させないように、時間を短めに、湯の温度はやや下げた温度で淹れる方法もありえます。しかし、薄く淹れてしまうと今度は氷が解けた水分でさらに薄くなります。
そこで、ポットで茶を淹れるときには、いつもの量の茶葉にいつもの半分の湯を注ぎ、濃い目に茶を出します。もちろん熱湯でOK。そのあと、氷が解けることを計算して全体のカテキンやカフェイン量をコントロールしましょう。茶葉の量を増やすのではなく、水の量を半分にして、氷が解けた水で薄めるといいわけです。茶葉を多くしてしまうと、その分成分の抽出量が増えてしまい、クリームダウンしやすくなります。
4.多め氷で一気に冷やす
大量の氷を用意して、一気に冷やすのがコツです。コップに氷を入れて、そこに茶をそそぐだけでは、茶を冷やしきれずにクリームダウンすることがあります。したがって、一度大量の氷で冷やしたものを、再度氷の入ったコップで冷やす二重冷却方式がお勧めです。
クリームダウンのない、綺麗な色のお茶で、この熱い夏を乗り切りましょう!
<参考リンク>
暑い夏はこれで乗り切ろう!冷茶をつくる