茶の花を使って花茶を作る
雲南省産の乾燥茶花
中国では、古くから花茶が作られてきましたが、花茶の原料となる花は、香りの強い花であるのが一般的です。たとえば、ジャスミン、桂花(金木犀)などですね。ところが、この茶の花で花茶を作ってしまえという珍しい試みをしている人がいます。
入間でお茶造りをしている比留間さん。「茶花花茶(さ・ふるーる)」となずけられたそのお茶は、台湾の製茶技術から学び独自に改良した手法で作られた萎凋された香りの良い緑茶に茶の花の香りをつけた、それこそ花茶なのです。
優しくかぐわしい香りのするお茶は、中国と台湾、そして日本の茶の優れた部分を全部ミックスしたみたいなもの。2000年から作り始め、2008年の冬に作られた8年目のお茶は、素敵なお茶に仕上がっています。
茶の花の効用
コカコーラから発売された「一(はじめ)茶花」
実はこの茶の花には、健康やダイエットに効果があると注目を浴びています。京都薬学大学の吉川教授らが、茶の花に「フローラテアサポニン」や「チャカサポニン」が含まれていることを特定したのが茶花の研究の始まりでした。これらの成分には、脂肪を分解するリパーゼの働きを抑制する効果や抗酸化作用、さらに血糖値上昇を抑える効果があることが研究で明らかになってきています。
コンビにやスーパーなどでずばり「茶花」と書かれたペットボトルを見かけた人も多いと思いますが、まさに、コカコーラとロート製薬が茶の花の持つ効能に注目して開発されたコラボ商品というわけです(茶の花の抽出物を利用した飲料です。)。
なお、現在吉川教授を理事長とする「国際茶花研究会」が立ち上げられており、さらに茶の花の科学的な研究が進められています。今後、茶の研究とあわせ、茶花の研究も進められ、大いに茶の効能が明らかにされることでしょう。
<関連リンク>
極茶人、比留間さんが作る薫り高い希少茶「茶花花茶」
茶花を利用した清涼飲料「一(はじめ)茶花」
国際茶花研究会