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お茶の色(3ページ目)

「茶色」はいわゆる褐色を指す意味に使われます。でも煎茶は黄緑。では何故そうなったのでしょう。茶の色について化学的に解き明かしてみました。

執筆者:平田 公一

紅茶の色



そして紅茶は紅色かかっている


紅茶は、カテキン類が酸化し重合されることで、テアフラビンという物質が生成されます。実はこのテアフラビンが赤味を示す色素なのです。

また、テアフラビンが高度に重合した化合物であるテアルビジンも褐色を帯びているため、紅茶の色は、テアフラビンとテアルビジンの混ざり具合で決定すると言われています。

また、クロロフィルは紅茶の製造工程でフェオルバイドという成分に変化しますが、このフェオルバイドがわずかに緑色をしているのだそうで、その色がわずかに混ざるのだそうです。

ちなみにテアフラビンとテアルビジンの比率は、テアフラビンが多いほど、綺麗な色を示すといわれています。

黒茶は黒いか?



こうしてみるとプーアル茶は紅茶に似ているが・・・


さて、緑茶、青茶、紅茶の色がなぜ出るのかを見てきました。白茶や黄色茶は、緑茶や青茶のバリエーションだと考えると、あと残るのは黒茶です。

黒茶は、緑茶、青茶、紅茶とも製茶工程でその成分が変わりますから、かなり色あいも他のお茶と異なります。

その一番の原因は、黒茶の製造工程において微生物発酵が行われるためです。

この工程で、クロロフィルはフェオフォルビドという褐色の成分に分解され、また黄色色素のカロチノイドも50%は褐色の酸化物になるといわれており、多く含まれているカテキン類は、紅茶同様テアフラビンやテアルビジン、さらに褐色のテアブラウンに変化するため、黒茶の水色は黒色に近い色になるといわれています。

もちろん、茶の度合いによっても異なり、比較的菌の利用が低いプーアル茶などは、紅茶同様に紅色に近い色をしている一方で、四川省の黒茶類は、まさに黒褐色である場合が多いのです。


以上、お茶の水色にまつわるお話をしてきましたが、普段何気なく飲んでいるお茶にも、様々な要因で色の変化があったり、種類によって色が違う理由がちゃんとあることがお分かりいただけたと思います。
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