中国茶/茶器・茶道具

東洋陶磁美術館で素晴らしい茶碗に出会う(3ページ目)

大阪市の東洋陶磁美術館には、中国韓国を中心にした素晴らしい陶磁器が沢山収納されています。その中から茶碗2点を紹介します。

執筆者:平田 公一

木葉天目にも注目



重要文化財 木葉天目


さらに、東洋陶磁美術館では、繊細な模様の「木葉天目(このはてんもく)」があります。重要文化財に指定されているこの「木葉天目」は、 油滴天目と同じく南宋の時代に作られたものですが、産地は吉州窯(きっしゅうよう/江西省吉安市永和鎮にあった陶磁の古窯)で、この時代には、主に玳皮天目(たいひてんもく)や木葉天目が製造されました。

この木葉天目は、薄く横に広がった特徴のある天目茶碗です。そしてなんといってもこの茶碗は、木の葉を茶碗に貼り付けて焼き、そして焼きあがった茶碗に絶妙な木の葉紋様が施されるというものです。黒地に茶色い木の葉の模様が浮かび上がり、葉脈まで見ることが出来るという茶碗は、とても珍しいものです。

ちなみに、この木葉天目は、加賀の前田家に代々伝わったもので、第16代当主前田利為が大阪市に寄贈したものと言われています。

このように、素晴らしい本物の茶にまつわる陶磁器を眼にして、自分の眼をどんどん肥やしていくことは、とても楽しいことです。

東洋陶磁美術館には、他にも「ああ、これ欲しい」とおもった李朝の青磁など、沢山眼の保養になる陶磁器が並んでいます。向側の重要文化財に指定されたレンガ造りの洋館「中央公会堂」ともども、大阪を訪問した際は、是非立ち寄ってみてください。

大阪市東洋陶磁美術館

住所:〒530-0005大阪市北区中之島1-1-26
電話:06-6223-0055/FAX.06-6223-0057
開館:午前9時30分~午後5時(最終入館 午後4時30分)
休館:毎週月曜日(その日が祝日の場合は開館し、その翌日)
   祝日の翌日(日曜日または休日を除く)
   年末年始(12/28?1/4)
   その他、展示替え期間等
料金:一般500円、高大生300円
HP:http://www.moco.or.jp/
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