四大岩茶とは
武夷山大紅袍の茶畑
(写真提供:ラ・メランジェ)
「大紅袍」、「鉄羅漢」、「水金亀」、「白鶏冠」を四大名[木叢]と呼びますが、いわゆるこのお茶たちが「四大岩茶」にあたります。個別のお茶の特徴をみてみると、
■ 大紅袍
武夷四大名[木叢]の中で、もっとも有名で高価なお茶。天心岩九龍巣、天遊岩にある樹齢300年を超える母樹は三本(四本とも六本ともいわれる)しかなく、三種類の品種からなるといわれます。丁寧に製茶され、烏龍茶独特の三紅七緑に発酵した大紅袍は、華やかな乳香(にゅうこう)がし、「岩韻」といわれる岩茶独特のどっしりした香りや味わいを感じさせます。
大紅袍の名前の由来はいくつかありますが(サントリーのサイト参照)、茶葉の新芽が紅色をしているからとか、お茶を飲んだ貴人の病気が回復したので、大臣が着ける赤い袍(マント)を木にかけて守ったという説などが知られています。
■ 鉄羅漢
800年前の書物にも登場するように、岩茶の中でも一番早く有名になったお茶とされています。武夷山の慧苑岩鬼洞に生えており、古くから難病を治すお茶として珍重されておりました。
現在では、いろいろな場所に移植されていますが、生産量は少なく高価です。
その深みのある味わいは、岩茶の中でも特に優れているといわれ、じっくりと楽しみたいお茶です。
武夷岩茶の茶葉
■ 水金亀
もともとは、杜葛寨峰の下にある蘭谷岩に生えていたお茶だったといわれていますが、天心岩天心寺の茶樹が大雨の時に、下の磊石寺の牛欄坑で止まったといわれています。水に流されたので「水亀のように移動してきた茶」といわれていますが、さらに、茶樹の根の周りが岩上の亀のように見えるともいわれ、さらに、水辺でくつろぐ金色の亀に似ていることから、水金亀と呼ばれています。
そこはかとなく感じられるやさしい乳香と微妙に軽やかな味わいがさわやかに感じられます。
■ 白鶏冠
白鶏冠は、武夷宮止止庵白蛇洞口あるいは慧苑岩火焔峰の下にある外鬼洞に生えていたものが原産地と言われていますが、はっきりしたことは不明です。白鶏冠という名前は、もともと、葉の周りだけが縁取りのように白く、ぎざぎざしており、若葉が鶏の土佐かのように見えるために、このような名前がついたといわれています。
風土病に効果があるといわれ、薬用茶としても有名でした。さらに、清代には皇帝に献上されたとも言われています。
喉越しがさわやかで、岩茶の風格を備え持ったお茶といえるでしょう。