茶樹の生誕
古生代、新生代年表 |
このように気の遠くなるぐらいの年月を経て、茶樹はツバキの近縁種から進化して生誕することになります。では、その誕生はどのような状況だったのでしょうか?
茶樹の分類については、「茶葉の学名と分類」という記事で以前ご紹介しました。
そのときに掲げたように、現在では、茶(Camellia sinensis)は、1958年にJ.R.Sealy(シーリー)が分類したCamellia Sinensis var sinensis(中国種)、var assamica(アッサム種)、f.macrophylla(中国大葉種)の3分類に区分されます。
しかし、茶樹はもともと、このような3分類のものとして誕生したのではなく、一つの種類の茶樹が植生を広げて行くにつれ、環境の変化によってこのように3つの種類に分化したのだと考えられています。
1978年に橋本実名城大学教授がクラスター分析を行った結果を取り纏め、その中で、Camellia Sinensis var sinensis(中国種)、var assamica(アッサム種)、f.macrophylla(中国大葉種)に分類される茶樹のルーツは一元的な品種であるとの学説を提唱しました。
その後も遺伝子分析や成分、酵素等による分析でも、これらの品種は一元的なものではないかとの結論が多く、現在では、茶の原種は一つであったとの学説(「茶樹一元論」)が主流となっています。
さて、この原種の茶樹は、では、どこで誕生し、どのように分化していったのでしょうか?