特別なお茶?
祁門紅茶 |
また、同じお茶の中でも、特に香りが良く、味がよく、形状が非常に美しいお茶が名茶になるというのはなるほどなと思われます。茶葉の形状のことはまた別途記事に取り上げることとするとして、珍しい、おいしい、薫が良いという基本的な事項に希少性が加わった条件とでも理解すればよいのかもしれません。
茶樹の品種や茶葉の品質が優良ということ
名茶としての最も重要な条件は、そもそもの茶樹の品質がよく、産地としても自然条件に恵まれその茶に独特の優良品種である風格が備わっていることといえるでしょう。武夷岩茶(ぶいがんちゃ)が「岩韻(がんいん)」といわれる独特の余韻やのど越しを生み出すのは、茶の生育に適した武夷山の岩地で育ったからで、それぞれの味わいや香りは、品種のもって生まれた特性ということができます。例えば、同じ品種の茶樹を岩地ではない場所で育てても、それは岩茶にはなりません。岩茶に正岩茶(せいがんちゃ:中心部産)、半岩茶(はんがんちゃ:山麓茶)、州茶(しゅうちゃ:周辺の茶畑産)がある所以といえるでしょう。
茶樹には、それが育つのに適した環境があります。その適した環境で適した茶樹や品種を用い、丁寧に適切な製茶法を用いたお茶だけが、名茶の名前をつけることが可能なのです。
その時々で様々に生まれて名茶に選ばれる中国茶。
是非、名茶といわれるお茶をいろいろと飲んで、このお茶の名茶である理由は何処にあるのだろうかということに思いをはせてみてください。普段何気なく飲んでいるお茶にも、名茶たる所以が潜んでいるはずですから。
さまざまな個別の名茶はこちらをご参照ください。
・中国名茶図譜