香港の老舗茶荘でもなく、最近のトレンディーな茶荘でもない、そんな不思議な茶荘がありました。一見見かけはトレンディー。でも、中身は老舗茶荘と向こうを張れるだけの実力派。そんなうれしい茶荘、新星茶荘をご紹介します。
グリーンカラーに「新星茶荘」の文字が目印 |
九龍半島の先端、尖沙咀(チムサッチョイ)。先にご紹介した「緑與茶藝館」を探していてちょっと行き過ぎた時に出会ったのが、とても明るく入りやすい店構えの茶荘、「新星茶荘」でした。
ふーん、こんなところにも新しい茶荘ができたんだと思って覗いてみると、奥のほうになにやら茶餅がたくさん。こんな新しいお店なのに、なんでこんなに茶餅がたくさん並んでいるんだろうと、不思議に思えるお店。
早速スタッフのYokoさんにお話をお聞きしました。
「新星茶荘は、楊慧章氏と息子の楊建恒氏によって1996年に創立されました。2000年に香港の九龍咀沙嘴にショップ第一号店を開いたのです。実は創設当初は店舗を持たず、車で販売をしていました。」
明るい店内 |
オーナーの楊慧章氏は若いころから永生祥茶行、福華茶荘などの茶荘で働き、益源貿易公司を立ち上げた経歴の持ち主。そんな楊氏のコンセプトが、楊建恒氏の若々しい発想と結びついたのがこのお店なのです。お茶の品揃えは、楊慧章氏の老舗の茶荘での経験が生んだ賜物なのです。
2000年にショップをオープンした後、このお店の品揃えが香港のお茶好きに受け、いまでは咀沙嘴店を中心に、銅鑼灣店、 紅[石勘]の 日系スーパージャスコ内のワンポワ店、康怡(コーンヒル)店の4店舗にまで増えたそうです。しかも、銅鑼灣店には、喫茶室もあるのだそうです。
ずらりと並ぶ餅茶 |
新星茶荘のお勧めはなんといっても普[シ耳]茶。比較的新しいお店であるにもかかわらず、卸売りからはじめた強さで、中国本土にも強いコネクションをもち、とても古いお茶から新しい餅茶まで、さまざまな品揃えが用意できるのだそうです。
「宋聘號乾利貞」、「陳雲號」、「同昌黄記黄錦堂」、そして「紅印圓茶」など、日本ではなかなかお眼にかかれないような凄いお茶がずらっと並んでいるのです。
しかも、この茶荘のすごいところは、こんなビンテージものの茶餅をいとも簡単に崩して小売してくれるというところ。「当店の強みは、年代物のポーレイ茶であっても量り売りが出来る事ですね。餅茶も出来る限り一両(37.5g)からの量り売りをしています。」とYokoさん。こんなお店、是非日本にもあったらなあと、つくづく思ってしまいます。
キレイなパッケージのお茶も並ぶ |
こちらの店では、新鮮なという表現をしていますが、卸問屋の強みを生かし、常に産地からの届いたばかりの茶葉本来の味を持つお茶の提供をしています。鉄観音はもちろん、緑茶、白茶など香港の人に愛されいてるお茶を中心に品揃えをしているのも特徴でしょうか。また、他の店舗よりは、雲南省の紅茶・緑茶などの品揃えが充実していました。
スタッフのお勧めを聞いてみたところ、白茶ベースの工芸茶(ジャスミンの香り)4種、女児環、銀針白毫を掲げてくれました。また、さらに台湾のお茶にも力を入れ始めているそうで、大禹嶺などの台湾烏龍茶の春茶、金木犀のお花と烏龍茶をミックスした桂花烏龍などもおすすめだそうです。
そして、中国茶を長く愛好している方や手軽にお茶を楽しむ人が購入していくのが、鉄観音や黄金桂なのだそうです。