茶館ですから、当然お茶を飲むことになるわけで、それが目的ですから、一番気になる茶譜(メニュー)を早速開いてみると、そこには丁寧に説明の書かれた台湾茶がずらりと並んでいます。阿里山烏龍茶、梨山烏龍茶、文山包種茶、白毫烏龍茶、金萓茶、翠玉。さらに、桃園の有名な茶師林文経老師の手になるハウスティー「千年烏龍」などもありました。

友人はたまたま京大で東方美人の研究をしているので極品白毫烏龍を、そして私はハウスティーの千年烏龍をオーダーしてみました。ここのオーダーシステムは、おひとりにつきお茶を一つ注文する方式。もちろん、お茶はスタッフの方が茶壺や蓋碗を用意して、工夫式で丁寧にいれてくれます。

坪林地区で丁寧に作られた白毫烏龍は甘味があって、香りも立つお茶。でも、お店の人が言うには、林文経老師の桃園で作られた白毫烏龍が絶品なんだとか。お茶会では飲むことが出きるようですが、量が少ないので喫茶では飲めないようでした。

千年烏龍は桃園の茶畑で摘まれた青心烏龍種を半球型包種茶に仕上げたもの。この春フーデックスで林文経老師の息子さんにお会いしましたが、彼にサンプルで頂いたものとほぼ同じ味と香りがしました。青みのある好ましい味わいの烏龍茶です。

お菓子好きの私には、メニューにあるお茶請けに惹かれないはずもなく、ようやく京都に慣れてきたという友人の「京都ではお茶請けのこと「お茶の子」といいはるんどす」という京都弁の講座のような説明を聞きながら、欲張りにも茶館特製のチーズケーキとシフォンケーキをオーダー。

チーズケーキはベイクドタイプでどっしりしているので、白毫烏龍とはとても相性が良いようです。シフォンケーキもしっとりとした仕上がり。これはなかなかおいしい。そのほかに瓜子やドライフルーツなどもいろいろと並んでいます。どれにしようか、きっと迷うはず。

久しぶりに会った友人と、お茶のこと、京都のこと、方言のことなどをぽつりぽつりと会話していると、そのころにはすっかり、茶館の雰囲気にもなじみ、ほっこりとした気分。ふと、窓から外を眺めると、やはりそこには不思議が広がっていました。

 
 

もともと、オーナー千年宝月さんのご主人劉決晃氏は、「中国茶で美しくなる」という本をお書きになったことがある中国茶フリーク。長年目黒で「劉府茶亭」というお茶の会を主宰されてきました。3年前から白金台に移り千年茶館と名前を変え、サロンワークスを行ってきたそうですが、もっと多くの人にお茶を愉しんでもらえたらということで、現在の場所に茶館を建てたのだそうです。

タイの骨董屋さんで出会った「茶神」。それが庭に鎮座する仏像。風水によるしつらえは、恋愛成就に効果があるのだとか。

二階の喫茶いスペースも覗かせてもらいましたが、ゆったりとしたテーブル席と広いカウンター席が用意されています。
日中だと、大きな窓から光りが静かにさし込み、時間を忘れてお茶を楽しむことが出来そうです。

とにかく贅沢な空間をゆったりと取った、そしてお店の中の時間がゆったりと流れていくような錯覚に陥る素敵な茶館、それが千年茶館。しばし浮世を忘れて、台湾茶の甘やかな香りと清楚な味わいに酔いしれるのもよいかもしれません。

▼ 千年茶館
 住所:東京都港区白金台5-13-14
 電話:03-5447-1200
 営業:12:00~19:00(ラストオーダー18:30)
 定休:月曜、火曜
 HP:http://www.1000nen.com/

 喫茶は900円より(茶請付)
 茶請は300円より


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