紅茶/紅茶関連情報

ティーバッグのおはなし

紅茶のティーバッグはいつから作られていたのでしょう。今では紅茶生活になくてはならないティーバッグ。いろいろな場面で重宝されます。

桑原 珠玉

執筆者:桑原 珠玉

紅茶ガイド

ティーバッグはいつ頃誕生したか知っていましたか。
以外に古くからあると思いきや、数千年のお茶の歴史を考えれば、比較的新しい画期的商品といえます。

ティーバッグには1袋あたり2~2.2gくらいの茶葉が入っているものが多い。
20世紀初頭(1904年という説が主流)、トーマス・サリバン(Thomas Sullivan)というニューヨークの茶商人が茶葉のサンプルを小さな絹袋に入れて、顧客に配ったことに由来すると考えられています。1920年代には、ティーバッグはアメリカ市場の商業ベースにのることになりました。イギリスでは1953年、テトレー社が初めてティーバッグ入り紅茶を売り始めたようです。


メーカーによって異なるティーバッグの形状や茶葉のサイズ


ティーバッグには1袋あたり2~2.2gくらいの茶葉が入っています。日本の水は軟水で紅茶が出しやすいため、たいていは2g入り。イギリスではロンドンなど硬水の地域もあるため茶葉はやや多めに、2.2 gとか2.5gも入っていることも。輸入されたイギリスのティーバッグは、日本で入れる場合、マグカップ用に使ってもよいくらい紅茶がよく出るものがあります。

ティーバッグは形状や素材に各メーカーのこだわりが現れます。形状は長方形型、丸型、ピラミッド型、さらに紐がついたものとそうでないものなど。素材は不織布が多いのですがコットン、ナイロンメッシュなども使われています。

ティーバッグの中は、まるで粉のような粉砕された茶葉が入っています。これらはダスト、とかダストより大きめの茶葉であるファニングスという茶葉のサイズが使われることが多い。これらは、製造工程のふるい分けによって、細かな網の目を通って分別された茶葉のグレード。このほか、大きなサイズの茶葉が入ったティーバッグも作られています。

ティーバッグも上手に生活に取り入れて


好みのティーバッグ入り紅茶は旅行に持って行くのにも便利。
ティーバッグの長所は、茶葉の量を量る手間が省け、浸出時間が短くて済むこと。しかし、茶葉が細かいので、その分空気や湿気に触れ、劣化が進みやすいのが欠点。メーカーによってはアルミの個包装にしたティーバッグがありますが、コストがかさむことになります。
ティーバッグを使うと、ティーストレーナーが不必要であり、ティーポットの後始末は楽。ティーポットを使わなくてもマグやティーカップで入れることができます。

日本でも紅茶売り場ではティーバッグはルースティー(ばら茶)と並び紅茶の消費に貢献しています。しかし、私たち日本人にはお茶を入れるという行為そのものが生活に根付いているため、茶葉からお茶を入れるということをとても大切に思う気持ちがあると思います。日常生活の中でティーバッグやルースティーを上手に使い分けながら、紅茶生活をエンジョイできることでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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