アールグレイは中国へ行ったのか?
Earl Grey(1764-1845) 首相であった1830-34年の間に中国へ行ったとも行かなかったともいわれている (イラスト yuka) |
アールグレイに着香されているベルガモットから抽出したオイルは18世紀、19世紀を通じて流行し、嗅ぎタバコやジンの香り付けにも用いられていました。このベルガモットオイルをお茶に着香することを試みたのは外国産食物の研究者であったジョセフ・バンクス卿だといわれています。
では、ベルガモットの香りの付いたこのお茶がアールグレイと呼ばれたのはなぜなのでしょう?それは、グレイ伯爵が政治的に人気があったからだとも考えられています。
トワイニング社に伝わるアールグレイ誕生までの過程
トワイニング社の資料によるアールグレイブレンドの誕生過程も興味深いのでご紹介しておきましょう。19世紀の初め、グレイ伯爵がイングランドの首相だった時、彼は特別な外交団を中国に派遣しました。偶然にもその使節団が中国人高級官僚の命を救うことになったといわれています。この役人はその恩返しにグレイ伯爵にとても良い香りの付いたお茶とこのブレンド方法を書いたレシピを贈ったそうです。
彼は茶商人にこの役人の指示通りにブレンドするように命じ、できたそのブレンドで有名になり、グレイ家は後にこのブレンド茶を一般に売る許可を出しました。そのブレンド茶は1916年に「アールグレイの優れたブレンド茶」として知られ、後に単にアールグレイという名で売られるようになったそうです。
ベルガモットを着香するためのベースとなる茶は?
アールグレイのベースとなる茶葉をご存知ですか。あなたがお好きなブランドのアールグレイのベースは、何でしょう? |
主としてアールグレイは中国茶ベースのものとインド茶ベースのものがあるようです。さらには、セイロン茶ベースのアールグレイもあるため、ベースとなる茶にこれといった決まりはなさそうです。主流は中国茶ベースで、中国茶にインド茶をブレンドしたものや、中国茶にセイロン茶をブレンドしたものにベルガモットで着香されています。
アールグレイ紅茶の元祖とたたえられるジャクソン社はキーマン茶をベースにしていますし、トワイニング社はインド茶と中国茶をブレンドしたものをベースにしています。フォートナム&メイソンのアールグレイは評価が分かれるようです。その味を左右するのは、アールグレイに用いられる中国茶にラプサンスーチョンをブレンドしているからでしょう。ラプサンスーチョンはイギリスでは上流階級で好まれたお茶でありますが、その癖のある香りのために敬遠する人もいるのです。フォートナム&メイソンからはもうひとつアールグレイクラッシックがだされており、こちらは中国茶とセイロン茶をブレンドしたものがベースだそうです。
【関連リンク】
■アールグレイをネットで購入したいならば
Vesuvio
ありとあらゆるアールグレイを取り揃えている。アールグレイ好きは一度調べる価値があるかもしれません。
■アールグレイで作る冷たいシェイク
アールグレイティーシェイクの作り方