ベーグル サンドイッチ ワイン おやつ
JR西荻窪の駅から5、6分、古本や骨董好きなら寄りたくなる店もあるのでさらに数分歩くと、足元に小さな黒板が出ています。それが「えんツコ堂製パン」への目印。店は細い路地を入ったところにあるのです。よくよく見れば「ベーグル サンドイッチ ワイン おやつ」と書かれています。散歩中にこんな看板を見つけたら、きっと誰でもちょっと覗いてみたくなってしまいますね。えんツコ堂製パンを営むのは勇正久さん、玲奈さんご夫妻。正久さんは表参道のアペティートで17年間、サンドイッチを作ったりパンを焼いたりして、昨年12月に開業。ソムリエで、サックス奏者でもあるパン職人です。
えんツコとフクロウ
「えんツコって何ですか?」は、お客さまからの質問ナンバーワン。平仮名にしたところは人と人のご縁の「えん」の意味を込めたそうですが、「えんつこ」そのものは、畑仕事などの際に赤ちゃんを 入れておくバスケット、嬰児籠(えいじかご)のこと。東北地方の訛りで「えんつこ」になったようです。「響きが好きなんです」という玲奈さんは岩手出身。子供の頃「えんつこ、もんつこ」といってよく遊んだそうです。わらべ歌のようなその言葉は、昔話の「めでたし、めでたし」の意味もあるのだそう。くるみとイチジクのカンパーニュ(280円) |
お店のトレードマークは玲奈さん手描きのフクロウ。バゲットを包む紙や、店の看板だけでなく、フクロウの顔をしたベーグル、焼印を押した丸パンもあります。
旅先のオーストラリアで、サンドイッチがすごくおいしくて、パン職人への道に入ったという勇さん。平日がベーグルサンドが数種類あるだけですが、現在開発中の食パンが完成したら、彼の想い出のサンドイッチが食べられるかもしれません。
お店のパンはすべて国産小麦。3種類を使い分けてつくられています。わたしが気にいったのは、自家製酵母のカンパーニュ。プチサイズで気軽に楽しめます。これはワインに合います。
次のページではえんツコ堂製パンのパンをさらにご紹介します。