おすすめのハード系

ル・プチメックのバゲットは48時間発酵。ほんのりとクリーム色の生地、柔らかな気泡、こうばしい香りと食感、旨みともに、最近わたしが食べた中で最高のバゲットでした。

約10年前からついでいるルヴァンでつくるカンパーニュは取材のときはなかったのですが、バゲット・ルヴァンの味をみることができました。ハード系のパンが好きな人にはこちらもおすすめ。さまざまなワインやチーズ、フレンチの料理全般に合わせたくなる、シンプルにして深い深い香りと味わいでした。

上からバゲット、バゲット・ルヴァン、セーグル・バゲット
バゲット断面
バゲットルヴァン断面

パンのバリエーション、栗と柚子のセーグル

西山さんは個人的にはアンチョビクロワッサンやオリーブパンなど、サレ系(塩味)のアレンジをしたパンが好きなのだそうです。

「バリエーションをつけるときには、何か混ぜてもパンの味がわからなくならないようにバランスを考えています。たとえば、これは柚子と栗のパンですが、たっぷり具材を入れているけれど生地の味も大切に考えてつくっています」

パンにナイフを入れると、爽やかな柑橘の香りが立ちのぼります。栗の甘味、パンの味わい。こういうものはニッポンの職人の得意とするところ。人気のパンとなりそうです。

栗と柚子のセーグル(283円)
栗と柚子のセーグル断面

お客さんを喜ばせる手段としてのパン

写真を撮らせてほしいというと、 「僕は裏方だから顔は出さないことにしときましょう。それより、僕が一生懸命考えたお店とパンを見てってくださいね」という西山さん。ポスターも別のものが間違って届いてしまったのを取替えに、オープン数日前に京都へトンボ返りしたというから、そのこだわりようはかなりのものです。

「よくフランスそのまま、って言われますけど、こんなフランスないですよ。パリやNYの日本料理店と一緒かもしれませんね。凧や扇子飾ってあるベタな店なんて、日本にはそんなにないでしょう?カイザーやVIRONがリアルフランスなら、僕らの店は日本人から見た憧れのフランスかな」

店奥の厨房で調理をし、パンも焼く。

西山さんはしばらくは東京にいます。

「職人でありながら、2軒3軒やるのは間違っていると承知しています。でも僕は 経営者になっちゃったから、スタッフにも休みとお給料をちゃんとあげて、人並みの生活をさせたいと思います。毎日、ものづくりとビジネスの葛藤ですよ。 僕らの仕事はパンをつくることというより、お客さんを喜ばすこと。その手段としてパンがある。だから、 一生懸命いいパンをつくろうと思います」

まだまだやりたいことがいっぱいある、という西山さん。意外に本格パン屋さんの少ない新宿で、素晴らしくおいしくて楽しいパンのお買い物ができるお店です。

※ル・プチメック 新宿店は2017年7月に閉店しました
ル・プチメック 日比谷が2018年3月にオープン

■ル・プチメック 東京
所在地:新宿区新宿3-30-13新宿マルイ本館1F

東京メトロ丸の内線新宿三丁目駅徒歩1分 
地図:Yahoo!地図情報

【新宿三丁目周辺の取材記事】
アラン・デュカス~進化するbe
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。