有機JAS認証取得ベーカリー
国道246号線に沿って池尻大橋から三軒茶屋方面に歩くと、三宿の交差点があります。右折して行けばラ・テールが、左折すれば姉妹店のアルティザン・テラがあります。アルティザン・テラは今年、有機JAS認証を取得し、有機のパンを販売しています。こだわりの素材を使うからといってパンが美味しいとは限らないですが、 今年の初め、日本パンアドバイザー協会のイベントで、この店のビオバゲットは一番人気がありました。そこに職人技術やセンスが感じられるからこそでしょう。そんなアルティザン・テラを取材しました。
フレンチスタイルの店内。有機のパンコーナーは左正面 |
有機バゲットトラディション(357円)、有機いちじくとクルミのカンパーニュ(263円)、有機クルミ入りぶどう酵母のパン(189円)、有機ぶどう酵母のパン(263円)など |
「有機」と名づけるには一つ一つのパンについて、何枚もの書類を準備して申請します。水と塩を除く原材料の95%以上が有機JASの素材である証明や、有機JAS認証を受けている専用の工房も必要になります。なんと大変なことでしょう!有機素材を使うパン屋さんは多くとも、認証取得に挑む店はまだほんのわずかです。
有機パン・ド・カンパーニュ(1260円)、有機薩摩芋と胡麻のカンパーニュ(263円)、有機パン・オ・セレアル(294円) |
有機テラコッペ(189円) 思わず素材に注目。 |
かつてこうしたこだわりパンの世界は、素材がよりシンプルなハード系のパンに限られるところがありました。しかし最近、メーカー側が力を入れ始めたことにより、油脂や餡など有機JAS認証の副材料が入手しやすくなり、菓子パンなどバラエティブレッドがつくりやすくなりました。
とはいえ、なんでも「有機」がつけば良いわけもなく、シェフの栄徳さんによれば、限られた素材から選ばなくてはならないので、納得いく味にするのが大変なのだそう。味を重視して、認証取得を諦めたパンもあったようです。そんなわけで現在、有機JAS認証のパンは10種類。但し、パンじたいにJAS認証を受けていなくても、JAS認証を受けた素材を使ったパンや海外の有機素材を使ったパンがほとんどです。
有機パン・ド・ミ・コンプレ(399円)、有機パン・ド・ミ(399円)、片岡農園産はるゆたか新麦100%パン・ド・ミ(399円) |
次のページは何故有機なのか、またイートインスペースで食べたいパンについてお伝えします。