クピド!のバゲット
取材の日、まだお昼前というのにバゲットが売り切れていました。時々そんなこともあるのだとか。絶対に欲しい場合は予約がいいかもしれません。次に焼きあがったバゲットは上野毛にあるワインブティック、ヴァンサンテの特注品。写真でカウンターに並ぶ小ぶりのバゲットの他に、もう1種の変わりバゲットは、タイプ65の小麦粉を100%使用し、ジョゼフ・ドルーアンのワインを練りこんだというこだわりの逸品。そんなパンを置く ワイン屋さんにも興味がわいてきます。
お昼過ぎにようやく焼きあがったバゲットトラディション(245円)は フランス産小麦70%、国産小麦20%、カナダ産石臼挽き粉10%、ドライイーストと自家培養サワー種併用の品。そんなプロフィールを知る前から美味しいとわかる、香りとルックスの優れたバゲットでした。
焼きあがったワインショップ特注のバゲット。手前ではオーダーの入ったパテドカンパーニュを切り分け中。 |
バゲットトラディション |
クピド!のブーランジェ
東川さんが料理人からパン職人に転向するきっかけとなったのは、フランスで食べた美味しいクロワッサンでした。その衝撃、好奇心からパンの道へ。ドミニクドゥーセ、コルドンブルーなどを経て10年。「料理を圧倒するパンをつくりたい」という東川さん。確かに「パンばかり食べてしまいそう」なパンを焼いています。しかしもとは料理人、カンパーニュを旬の果物や野菜の酵母で焼いているのは、料理的なアプローチの面白さから?と思って尋ねれば、「種由来の味を残しつつ、製法を工夫する面白さですかね。やってやったぞ!という感じ。目に見えないものを育てて、目に見えるものにしていく過程にはまりました。突き詰め甲斐があります。今は国産小麦でフランスのパフォーマンスが出せないかなと思っています。10月半ばに国産でカンパーニュを販売する予定です」とのこと。楽しみです。
次のページでは東川さんも大好きなヴィエノワズリ系のパンをご紹介します。