パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

アルチザン ブーランジェ クピド!【奥沢】(2ページ目)

旬の果実の酵母、何種類もの小麦粉から選び、職人の手で焼き上げたパンは料理に負けない存在感を持つけれど、その料理をつくるのもパン職人。「パンは人生を楽しくする」と思わずにはいられない素敵な店をレポート。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

八百屋さんみたいなパン屋さんでありたい

クピド!の特徴は季節の果実や野菜の酵母を使った大型カンパーニュの切り売りです。「僕はものすごくアナログなやりかたでお客さんのデータをとっているんです。おしゃべりをして、顔なじみのお客さんは名前や好みを覚えて、来店されたときにその人に良さそうなものをおすすめしたり……。八百屋さんみたいなパン屋さんでありたいと思っているんですよ」と澤口さんは言います。

「パンは当日焼くものだと知らない人がまだまだ多いですよね。高価なブランド品は買うのに、せいぜい数百円のパンにはまったくこだわらないし、お金もかけたくない日本人、それでいいのか?と思う。だからもっとパンの価値をわかってもらおう、と思っています」 おいしく食べることにこだわりを持つ家で育ち、ホテルやレストランで飲食に関わるサーヴィスの仕事で活躍してきた澤口さんならではの仕事かもしれません。

季節の酵母、何種類もの小麦粉を使い分けた大型のパン。この日は国産石臼挽き小麦粉を使った、巨峰やトマトの酵母のパンが並んでいた。
大型パンは切り売り。「3枚ください」などと注文すればよい。

切り売りしている大型のパンの中でも一番オーソドックスなカンパーニュは、フランス産小麦粉88%、フランス産ライ麦粉12%。酵母は自家培養のレーズン種。みずみずしくもっちりとした食感で、何もつけなくても味わい深いパンです。もちろん、何か合わせて食べたらさらにおいしくなるはず。クピド!にはちょっとしたカフェスペースもあります。

クピド!のカフェ

クピド!はラテン語でキューピットの意味。職人の東川さんが命名しました。後に続く「!」は「驚くほどの美味しさ、感動を伝えたい」という想いから、澤口さんがつけたのだそうです。驚くほどの美味しさや感動を今すぐ味わいたいと思ったら、迷わず奥のカフェのテーブル席につくことをおすすめします。

カフェスペースからは、ガラス越しにパンを焼いたり料理の仕込をしたり、片付けをしたり、キビキビと働く東川さんを見ることができます。彼は当初、料理人を目指していた人。クピド!のパンも、お惣菜もすべて担当しています。メニューは、日替わりのスープや煮込み、パテドカンパーニュ、リエットなど、パンを存分に楽しめる料理です。

売り場の奥に8席ほどのカフェテーブルからオーブンが見える
お惣菜や各種チーズ、カスクルートのショウケース。上質な素材を使ったカスクルートは「カマンベールドライトマト」「サーモンフロマージュ」「ジャンボンフロマージュ」「BLTA (ベーコンレタストマトアボカド)」、「プーレコンフィ(鶏とジャガイモ)」など368円~399円。
左からパテドカンパーニュ(600円/100g)とポークのリエット(400円/100g)



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