パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ムッシュソレイユ【西荻窪】(3ページ目)

オープンから12年。ムッシュソレイユはいつも変わらずそこにあるパンやお菓子を目指して買いに来る地元の人たちでいつも賑わっています。パン職人であり、料理人、菓子職人の腕も持つ竹内勉さんを取材しました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

シンプルなパンとサンドイッチ

ムッシュソレイユには小さめサイズのフランスパンが何種類かあります。どんな料理にも合わせやすいのはバタール。買ってすぐ食べない分はカットして冷凍しておけば1週間は美味しく食べられます。

自家製のぶどう酵母の「ぶどうのルヴァンナチュレール」は酸味のあるパン。ハードなクラストにしっとりとした生地が包まれています。

サンドイッチケースの脇に並んでいる自家製のリエットやパテの類はパーティに最適。まずは、それを相性の良いパンとあわせたカスクルートで味見を。特にクルミのパンに相性の良いリエット(豚肉と鴨肉)を挟んだものなど、他ではなかなか食べられないものです。

小さい角食(336円)バタール(210円)
ぶどうのルヴァンナチュレール(315円)リエットをクルミのカンパーニュに挟んだカスクルート(336円)

料理パン、スイーツ

ムッシュソレイユには新鮮な野菜やフルーツを使ったパンがあります。 冬の間は信頼のおける地元の八百屋さんから仕入れるそうですが、春から秋まで週二回、長野や新潟から有機無農薬野菜が届きます。「5月にレタスなどの葉ものから始まって トマト、キュウリ、トウモロコシ、ナス、枝豆、カボチャ、ズッキーニ、パプリカ、 イチジク、リンゴ、11月の終わりの干し柿でシメです」と、竹内さん。

これらはフォカッチャに乗ったり、デニッシュに入ったりします。 「野菜が届きだすと、ワクワクします。余計なものはいらないと思っているんです。新鮮な素材そのものの味をいかしたパンを提供したいですね」 そのあたり、料理人の顔が見え隠れしています。

いつもではないけれど、たまに何かの拍子にスイッチが入ると、チャレンジ(あるいはサービス)精神から、特別なパンをつくることもあります。たとえば、仔牛のかたまりでフォンドヴォーをひいて、ソースを作って特製のハンバーガーに使ったり、年配のお客さんの希望で、昔懐かしいコロッケドッグにチャレンジしたり。

ドライカレーと野菜のフォカッチャ(252円)。素材の味が生きている。クリームパン(147円)。シュークリームと同じクリームがたっぷり。
ポム(168円)。甘酸っぱいリンゴのフィリング入り。マロン(189円)。渋皮栗とクレームダマンド。

こんな話もうかがいました。「毎年誕生日の前になると、こういうケーキを作って、と絵を描いてもってくる子供のお客さんがいて、その絵が毎年成長している。表現が巧みになっていくんですよね」笑顔で話すシェフは、大の子供好きです。
そのオーダーメイドケーキ。チョコのプレートの後ろはイチゴとハート。

春には桜が咲き乱れる善福寺公園も10数分の距離。お花見に向かう道すがら、小さなパンやサンドイッチ、デザートが8種類ほど詰まったお得なランチボックス(840円。要予約)を購入していくのもおすすめです。

ムッシュソレイユ


杉並区善福寺の西荻本店を2008年9月21日閉店。荻窪に移転(販売のみ)。

新所在地:杉並区荻窪4-13-16
TEL:03-5397-6066
営業時間 11:00~19:00 月曜定休

ムッシュソレイユには姉妹店があります。
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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