やさしい名前に込められた想い田園都市線「あざみ野」駅前から歩くこと数分、 住宅街に入ったところに穂の香はあります。どこかやさしい響きを持つ穂の香という店名。オーナーシェフの吉田学さんによれば、「ほのかに麦の香りがするパン、甘味や塩味もすごく甘いとかすごくしょっぱいではなくて、ほのかに感じられるようなパンを思って」つけたのだそうです。その名の前に"boulangerie"ではなく”Pain fermier”とあるのは、「農家のパン、という意味です。ヨーロッパの農家のお母さんが家族のために作るパンで、派手さはなくてもおいしさ、やさしさがつまったパンをつくっていきたいと思っています」と吉田さんは教えてくれました。
取材にうかがったのは、ちょうどハロウィンの頃。店の前には大きなカボチャのランタンが置かれていました。黒板には「ようこそ穂の香へ 自称吉田パン研究所へ」との文字。吉田パン研究所?と思いながら手をかけたノブはプレッツェルのかたちで、ドアを開く前から楽しい気持ちになりました。 さまざまな楽しみのある店内
吉田パン研究所というのは、ふたりが自分たちの好きなパン、心地いいと思うサービスを究めていく場所を意味するようです。 ヨーロッパ各地でパンを食べ歩き、その印象を再現する吉田さんですが「今年の休みはこれを作っていたので行かれなかった」というのがカフェのカウンターテーブル。そのカフェでは焼きたてパンのみならず、パンの本を閲覧することもでき、コンサートや詩の朗読会が開催されることもあります。 「大人向けも、もちろんやりますよ。わたしたちが楽しめるものを」と由華里さん。季節の催しは町の住民を楽しませているようです。 クリスマスにはホットワインとクロワッサンをふるまい、サンタの格好をした吉田さんが子供にパンを配ったことも。なんて楽しいパン屋さんでしょう! 次のページでは、そんな 穂の香のパンについてご紹介しましょう。 |