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ADF+TSUJI、アラン・デュカスサンドウィッチセミナー 料理人のサンドウィッチ

アラン・デュカスの7種類のサンドウィッチが日本パン菓新聞社主催、ADF+TSUJIのセミナーで提案されました。「料理人のサンドウィッチ」とはどんなものか、サンドウィッチに大切なことは何か、取材しました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

3月17日、日本パン菓新聞社主催、ADF+TSUJI(アラン・デュカス・フォルマシオン+辻調グループ校)協力のサンドウィッチセミナーが開催されました。BEIGE TOKYOグランシェフ、ダヴィッド・ブラン氏による実技の後、ADF+TSUJIエグゼクティブシェフ、クリスチャン・ジュリヤール氏、NYの人気ベーカリーAmy's Breadのエイミー・シャーバー氏とメゾンカイザーの木村周一郎氏による講演がありました。

ADF+TSUJIが提案する料理人のサンドウィッチ


ADF+TSUJIが提案した7種類のサンドウィッチ

7種のパンに合わせて具材、テーマを変えて作ったサンドウィッチキュイジニエ(料理人のサンドウィッチ)は、味だけでなく視覚的にも料理人ならではの技術とアプローチで作られたもの。 7種類を(上記写真上から時計回りに)簡単にご紹介しましょう。


パン・ド・カンパーニュのブルスケッタ
ピエモンテ産生ハムの薄いスライスと水牛のモツァレラチーズ

チャバッタ
セップ茸のソース、コロンナータ産の塩漬け豚背脂、パルメザンチーズの薄いコポー

パン屋のトゥルトの厚切りスライス
ラングスティーヌのロースト、胡椒風味、甲殻類バターと冬野菜のサラダ

フガス 豚フィレ肉のロースト、シャルキュティエール風

トラディショナルなフォカッチャ
地中海産マグロ スナッケ/ラケ バルサミコ酢風味

野菜入りパン・ヴィエノワ リコッタチーズとシャキシャキの野菜

食パンを使った現代的なクラブサンドウィッチ **  (写真中央)


この中でひとつ、チャバッタのサンドウィッチを試食しました。ポルチーニのソース、ローズマリーの香るラルドを使用したこのサンドウィッチは、イタリア北部の食の伝統がテーマ。シンプルながら、素材のひとつひとつの味わいが凝縮され、見かけはサンドウィッチではあるけれど一皿の立派な料理を感じました。

**面白かったのはクラブサンド。仏語ではパンドミトラディショネルジャポネ。食べにくい難点を3つの小さなサンドにすることで現代風にアレンジしたクラシックサンドというところが興味深かったです。

アラン・デュカスの哲学、メッセージ


アラン・デュカスの哲学を情熱を持って体現する二人のシェフ
クリスチャン・ジュリヤール氏(ADF+TSUJI)×ダヴィッド・ブラン氏(ベージュ東京)

ADF+TSUJIエグゼクティブシェフ、クリスチャン・ジュリヤール氏は、ストリート/フィンガーフードという観点からアラン・デュカスのサンドウィッチを語ります。

「時代の変化に伴い、サンドウィッチもレストランの料理と同様、昼の栄養源として食べる人が増えてきました。それに合わせ、バランス良く美味しくシンプルにということを念頭におき、レストランで培ってきたテクニックでサンドウィッチを創ります。」 それはフォルマシオンの教育メソッドにある「環境の変化への適応力」ということでしょう。

「レシピは一つの提案でしかない。表面的な流行ではなく、料理の根底にあるものを感じてください。」という言葉に深く頷きました。

良い料理は良い素材がないと作れない。良い具材、良いソース、そして良いパン。
このセミナーで誰もが口にした言葉です。
アラン・デュカスは「料理の天才はいなくても、カレイ一匹あるほうが、天才がいてカレイが手に入らないよりよっぽどまし。」と言うそうです。素材を活かしたシンプルな料理の本質を追求し続けるシェフの哲学、メッセージが、提案された7種のサンドウィッチに込められていると思います。

次のページは、NYと日本の人気ベーカリーのサンドウィッチのお話です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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