パン/パン屋さん取材レポート(西日本)

シェフが語る夢までの過程~創作パンの舞台裏Vol.2 コム・シノワ 進化していくパン(3ページ目)

ブランジェリー コム・シノワ西川シェフへのインタビュー2回目は、料理人の中ではぐくまれた発想力、影響を受けた様々な事柄、一番大切にしている想い、そこへ向かって日々変化していくパンについて伺いました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

バランスを意識して変わり行くパン

西川:いつまでもつきあってもらえるものを目指して作り出しているから、デニッシュにしても変わりました。以前は大きなデニッシュにこれでもか、といろいろのせてましたけど、今は小さく、クリームの量も控えめに、ほどよく食べられる状態。そのバランスを保っています。
「バランスを意識しているからいろいろと変えていく。 その過程が大事だから見といてくれな」と皆に言っているんですよ。


清水:何を思って大きくしたり小さくしているか読み取ってくれな、ということですか。

西川:そう。でないと誤解を生むじゃないですか。 この間こう言っていて、今までこうしていたのに、サイズが違うとか味つけが違うとかね。
バランスをとることによって、 最終的に僕が求めている「いつまでも美味しく食べられるもの」につながってくるんじゃないかと思うんですよね。

清水:いろいろなパンが次から次へ並ぶのは、時代の流れをキャッチして変化させていっているところもあるわけですね。

西川:そうそう。それをやってみせたのはうちのオーナー(コム・シノワオーナーシェフ 荘司索氏)です。


chocolat orange

コム・シノワの名は昭和58年、南京町に荘司氏がOPENした、今はなきビストロ コム・シノワから来ています。
「中華料理のように気さくに」という思いがあったそうです。


西川:僕がなぜこんな人間になったのかというと、河田さん(オーボンビュータン)やビゴさん(ビゴの店)や 高木さん(アンデルセン)や今まで出会ったいろいろな人たちの影響はあるけれど、 僕自身をうまく引き出してくれたのは荘司シェフだと思います。

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荘司氏がシェフを務めるレストランTHE OCEANのメインであるシーフードに合わせ、 西川さんは海草入りのバゲットコロンというパンを創りました。

「自分ひとりでは想像もできないパンをうまく引き出してくれる人。多分皆はそこまで知らないかもしれないけれど、 パン業界にとっても大きな存在だと思います。」荘司氏のことを西川さんはそう言います。


流木、という名のパン

荘司氏の仕事の仕方が今の西川さんに及ぼしている影響はとても大きそうです。 10数年前に出会ってから、料理とパンと菓子をトータルで提供する夢を西川さんと共有しているそのシェフとは・・・?

インタビューは続きます。→Vol.3へ


Vol.1

Vol.2
1.料理人の中ではぐくまれたもの
2.一番大事にしている想い、そこに至る過程
3.バランスを意識して変わり行くパン

Vol.3
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