天然酵母のパンは10年ほど前まで自然食品を扱う店や限られたパン屋にしかなかったので、 なかなか焼きたてを食べることはできませんでした。今では「天然酵母」の看板を掲げた店も多く、 家庭でも楽しむ人が増えているようです。

ひとくちに天然酵母と言っても、その種類は多種多様です。
小麦や果実、芋や米などに付着する菌を培養すると、サワー種、果実種、ホップス種、酒種等ができます。 それらが発酵する力でパン生地が膨らみます。

イーストと天然酵母

「天然酵母」のほうが「イースト」よりも身体に良いとされるのはなぜでしょう。 「酵母」は英語ではyeast(イースト)、どちらも天然に存在する菌から作られています。
いわゆる「イースト」は果実や穀類からパンに適した菌だけを分離し、化学物質を使用して培養したもの。 使いやすく、いつも同じに作ることができる安定した発酵力があります。
多種多様の菌を化学物質を使用せずに培養したものが、一般に「天然酵母」と呼ばれているものです。 原料、作る人ひとりひとりの技術と個性、環境からのさまざまな影響によって味も発酵の様子も異なります。
素晴らしい味を生み出す可能性を持つ反面、雑菌による変な酸味を生むことも考えられます。

わたしは世の中の多くのパンの発酵に使われる「イースト」だけを取上げて「良くない」という感じを持ちません。 「天然酵母」のパンが一般的に良いと言われるのは、原料から吟味した自家製の酵母を使い、 素材にこだわって手間暇かけて作る作り手の姿がパンのむこうに見えるからだと思います。 食において便利ということは危険性を伴う場合もある。そんなときにパンの発酵の原点に帰ったような製法のパンは 作るには手がかかり、従って買うには高価になってしまうけれど、そんな意味で良い、と思います。

ホシノ天然酵母

パンに必要な菌すなわち酵母菌、植物性乳酸菌、麹菌の3種類を小麦粉、米等の 天然の原料で自然培養し、商品化したものがホシノ天然酵母パン種です。 これは東京都町田市で現在の社長、星野益男氏のお父様が醸造業の経験を活かし、 30余年の歳月をかけて完成させたものです。

自家製の酵母を起し、化学薬品に頼らずにその品質と効力を維持するというのは大変なことです。 雑菌が入ると酸味が出たり発酵力に安定性が望めません。
初めて天然酵母のパンを焼いてみたいと思われる方にとって、これは使いやすい酵母です。 顆粒状の乾燥酵母をぬるま湯でまる1日以上かけて起こして使います。 手軽さではイーストにはかないませんが、焼き上がったパンからは味の深み、粉の旨み、 かりっと焼けたクラストの芳ばしさがより多く感じられます。

有限会社ホシノ天然酵母パン種 TEL 042-737-7825

ホシノ天然酵母は クオカ、Tokura、富澤商店など製パン材料店
も購入できます。

関連サイト 自然のパン 天然酵母     製パン材料店


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