パン/パン関連情報

添加物等ワンポイント判断と日々の心がけ パンの危険回避のキーワード(2ページ目)

消費者として、使用される危険な添加物を避けるためのちょっとした心がけと、なぜ国産小麦が良いのかという理由、おいしく食べやすい自家製天然酵母の時代の到来についてまとめました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

国産小麦のパンの薦め

ここに輸入穀物に添加される知られざる農薬の検査データ というものがあります。 記されている単位はppm。 しかし、化学物質過敏の症状は今やこの1000分の1のppbという単位で 簡単に発症してしまうそうです。
「焼くことで成分が飛んで無くなっているだろうと推測される」と言う理由で 殺虫剤が残る小麦粉にはもちろん表示はされていません。
しかし、粉に混ざっている殺虫剤のうち小麦収穫前の撒布に比べ 収穫後(ポストハーベスト)の場合はなんとその1000倍残る。 つまり収穫後の輸送と保存期間のために必要な後者の 殺虫剤を避けるためには国産小麦が望ましいのです。 ちなみに国産における残留殺虫剤成分量は輸入の10分の1以下と 言われています。
自家製粉しているベーカリーのブノワトン(伊勢原)ではポストハーベストを避けたため出てくる 虫について研究した上で、貯蔵庫の温度湿度の徹底管理をされているそうです。
なるべく国産小麦をというお話でした。

ヨーロッパでも今、社会事情悪化と共に添加物使用が増えているそうです。 小麦や他の材料を手に入れるのに苦労する世の中はいけない。 パン屋は幸せか。リスドォルミツ(西荻窪)の廣瀬さんはよく自問されています。 幸せでなくてはならない、わたしはそう思います。 幸せに仕事して、お客さんに幸せになってもらわなくてはいけない。
原価率28~35%で作りたいところ、リスドォルミツでは40%以上かけてしまうそうです。 それでも内麦を使うので高くなり、1斤330円。1枚55円。高い。高いけれど止めない意志でいる。 なかなかこの不況下にできることではありません。薬品に頼らず手をかける。それができるパン屋さんは幸せなのかもしれません。そして その意志は素晴らしい。

 


ビール酵母のパン

自家製天然酵母の時代

自家製天然酵母というと酸味や固さを感じる時代は終わりました。ホシノ天然酵母などの既製の製品ではなく 独自の手法で酵母を起こす店が増えています。日本人に受け入れられやすい酸味のないものなど、 そのパンは千差万別。パン業界も時代の変わり目にあるようです。パンを買う立場として、そんなパン屋さんに感謝しつつ、 日々簡単に心がけられることをしてゆきたいものですね。


「食との接し方10ヶ条」

●食べ物に関心を持つこと
●危ない添加物を避ける
●加工食品に頼らない
( なるべく自家製に)
●新発売に飛びつかない
●表示を見る習慣
●旬のものを食べる
●無農薬低農薬野菜を食べる
●好き嫌いなくバランスをとる
●時間をかけて良く噛む
●自然の恵みに感謝する

【関連記事】 無添加パンへの熱い思い
冷凍保存できる自然酵母デッセム
画期的な酵母に託された夢添加パンの未来

 

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