北翠25kg

健康志向もあって近年国内産小麦の栽培が伸びできているように感じる。
国産小麦は全需要の10パーセントといわれているが、うどんブーム、ラーメンブームやパンブームもあり国産小麦に新しい動きが出てきている。
そんな中今年2004年の秋に日清製粉から北海道産小麦100パーセントの麺用粉が発売となった。
その名を北翠(ほくすい)という。



しなやかなでみずみずしい

北海道で栽培・収穫された小麦を日清製粉北見工場で製粉する完全な地粉である。生産地、製粉とも北海道という地元小麦の特性を知り尽くしたプロジェクトだ。縦に長い日本では気候風土が東西で異なり当然東西で栽培される小麦の種類はかなり異なる。また各地の農業試験場ではそのエリアに適した小麦の品種改良に熱心である。
最近では香川のさぬきの夢2000、群馬のきぬの波、長野のゆめせいき、埼玉・三重のあやひかりなどが注目されている。また従来の品種の農林61号(主に群馬・埼玉・東京で人気)やチクゴイズミ(九州エリアで人気)なども麺用小麦としては大切な銘柄となる。
北海道では従来チホクやホクシンと呼ばれる小麦の栽培が盛んだったが近年ホクシン小麦がその大半を占めるようになってきた。

うどんの嗜好の変化に対応


日清製粉のアンケート資料によると美味いうどんの方向性がここ数年固いコシよりも、もちもち感のある麺に人気が出てきているという。この方向で開発された麺用小麦粉がこのたび発売された北翠(ほくすい)である。北海道産麺用小麦粉100パーセント使用の地粉である。色調は白く、いわゆる地粉の黒ずみはほとんど感じない。

●打つ
色調がよくかなり白い粉である。入手したものは製粉されてから比較的日数が経っていないもののようでしっとりとした感じであった。一般的には地粉は水分含有が多めなので加水は控えめである。



色調良し

試し打ちでは日清製粉の資料に基づき指定の加水率、塩分濃度、寝かし時間、手順を守った。
【手打ちうどんの例】  
配合比
北翠 100
食塩 5
水  38
踏み熟成1時間・団子で熟成2時間・座布団(荒のばし)40分




扱いやすい粉だ

ボーメ換算11程度で加水43に相当する。秋から冬の季節を考慮するが一般的な屋内での作業だから加水量を考えなければ普段打つ讃岐うどん用の作り方とほぼ同じだ。地粉ということでの5パーセントほど加水を控えた数値になる。
他の銘柄の地粉に比べて特別変わった数値ではないと思われる。ただ昔からの地粉のブランド農林61号の打ち方とは少し違うと思う。塩分濃度や寝かし時間、熟成時間がことなる。


●製麺と試食

関東風辛汁にて食す

生地は比較的柔らかく打ちやすい。熟成の終った生地は良く伸びる。少し油断すると伸ばしすぎて薄い生地になりそうだ。これも地粉の場合よく起こることだ。グルテンがASWと比較して少ないようだ。
生地はかなりきめ細かく美しい麺線となる。麺切台のお世話になったが4ミリ幅のうどんとして完成させた。
試食は茹でを12分で締めてもりうどんで食べる。見映えは白くみずみずしい。気持凹み気味の麺線となるが、伸び系のびょーんと伸びる食感で喉越しが良い。小麦の香りも良い。蕎麦の辛汁で関東風のもりうどんとして食べてみた。食感の滑らかさが印象的だ。

試作2
いつも使っている日清製粉、香白椿と同じ方法で仕込んでみる。
塩分濃度が12で加水が48パーセント。
水回しをしていてやはり生地が柔らかくなりそうな気配で45パーセントで加水を止める。それでも前日の夜に仕込む宵練りを採用したので踏みの回数を全体では増やした。生地はかなり柔らかくなったが踏みよる鍛え方が効果があったと見えて最終的には柔らかいが、切った麺線がはがれないということも無く無事に製麺できた。
温かいうどんではしなやかさが際立ちすーと吸い込まれるように収まる。汁は関西風、東京風を選ぶこともなさそうで全国展開できる性格をもった小麦粉だと思われる。



優しい食感になる

こちらの試食も行ったがもちもち感と伸びる印象は大きくことならなかった。熟成時間が長かった分より滑らかさを感じた。
数人のテスターに味見をお願いしたが両方とも評判はかなりよかった。とくに讃岐うどんのベテラン食べ歩き系の方々にはこの伸び系のうどんは気に入られたようだ。
数回試し打ちをしただけだが、「うどんの好みの多様性に応えられる洗練された地粉」というのが私の感想だ。色調の良さと香りの良さ、扱いやすさで人気のブランドに育つような気がする。



グミ系のびるコシが楽しめる
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