【イーハトーボのうどんの魅力】
香川の名店やまうちでうどん作りの真髄を修業した蓮沼さんはやまうちで学んだ純手打うどんにこだわる。捏ねから切までうどん作りの工程は全て手作業だ。切りこそ麺切り台を使うがこれだって包丁の一つの形態だから全工程純粋手打ちうどんとなる。日々仕込むうどんは十分に熟成されて讃岐うどんとして供される。
やまうちといえば宮武ファミリーの一員。その中でも人気度トップクラス。週末や連休中などはやまうち渋滞もおこるという名店だ。その技術を受け継いだ本格讃岐うどんはしっかりとした腰が一つの特徴。2年ほどまえは少し固すぎると感じるほどの超ストロング系という評価が多かったようだがこの1年くらい前から伸びやかも前面に出てきたような気がする。
仕込む量や熟成の度合いなどでもうどんの性格が変わることも有ると思うが、イーハトーボのうどんが進化したのだろう。蓮沼さんは腰と伸びと弾力を目指していると明言する。
だしの担当は熊谷さんだ。かけだし、ぶっかけだしと醤油の種類も異なる。現在はメニューを整理して大勢のお客さんにうどんを食べてもらえるようにオペレーションを変更した。以前にあったざるや釜揚げのメニューが消えている。それでもだしかけ\350(あつあつ・ひやひや・ひやあつ)釜玉\340釜バター\340・ぶっかけ\350・生醤油\280(ひや・ぬくめ)とバリエーションはかなりある。大盛は2玉で150円増し。それに合わせるだし作りもかなりのこだわりがある。イリコ、昆布、鰹節で取られたかけだしはうどん以上のコストだとか。全部飲むようにとお願い書きがある。心配しないでもゴクゴク飲める美味しいだしだ。あつあつのだしはホッとするような優しい味わいだ。
蓮沼さんのうどんと熊谷さんのだしのハーモニーがイーハトーボの魅力だ。寄居の交通不便な山間に週末ともなれば300人も人が押し寄せる。一度このうどんの魅力にはまるとおいそれとは抜け出せないらしい。店の環境の面白さ、うどんの質の高さと讃岐並みのうどんの価格、ちょっと頑固な職人気質など売りがたくさんある。
テレビ、雑誌の取材が後をたたない、露出のたびに行列が伸びていく。地元の方には申し訳ないのだが・・・しばらく行列は絶えないだろう。
あまり表立っては語られないのだがこの店は軽度の障害を持つ人たちの自立を支援する現場でもある。ホールに立つ青年や厨房の作業に関わる人の中には人と接することが苦手だったりする人もいるという。しかし店内を見る限りそんなことはあまり感じない。ちゃんと立派に接客している姿を見ることが多い。時々慣れない人がいるかも知れないが注文を間違えても?おおらかに対応して欲しい。
人手不足もあるのでお冷のサービスなどはセルフになっている。うどんや天ぷらは運んでくれるので注文して待っていればよい。2003年からは平日に限りおでんもはじめた。こちらも頼めば持ってきてくれる。
【嬉しいこと】
以前かなりきつい言葉で書かれていた注意書きが少し修正された。気持ちよく食べられる居心地の良さも出てきた。かけだしの味と同じようにホッとした一瞬が味わえる。うどん粉や包丁の販売などうどん打ちをする人の支援体制もある。醤油豆や佃煮など香川のお土産品の販売も嬉しい。蓮沼さんも気さくに声を掛けてくれる。体育会系の乗りなのではじめはちょっと怖いかもしれないがちっとも怖くない(笑)。声はちょっと大きめだが・・・うどんのことを話し始めると止まらないかも・・・行列が長いからあまり長居できないのが少し残念か・・・
【DATA】
埼玉県大里郡寄居町冨田4035-4
電話048-582-2482
営業時間 平日10:30-14:30
土曜日曜祝日10:00-15:00
売り切れ仕舞い有り
定休日 月曜火曜 祭日の場合は営業、翌日に代休
予約不可