寄居のうどん屋さんの帰りにふと気になる看板を見たのは一年ほど前だろうか。
その時は丁度中休みの時間に当たって食べられなかったのだが今年1月再訪した。
ちなみに今は看板はなくなっている。
その店の名前は『鬼うどん金勝(きんしょう)』金勝山のふもとに有る。254号旧道沿い、小川町市街より254号バイパスに向かう途中になる。八高線竹沢駅からは1キロ程か。バイパスが出来る前にはたいそうにぎわったお店であったようだ。
『鬼うどん』という太打ちうどんは一辺が8ミリから10ミリは有ろうかという角柱状のうどんである。太いうどんは時々遭遇するが鬼うどんはただ太いばかりのうどんではない。まず目を見張る美しさ。うどんの表面がきらきらと輝いている。なめらかな光沢を放っていることだ。わずかに黄味をおびた麺線は艶艶である。そして何よりもうどんに角が立っていることである。この太さでエッジが立っているとは信じられない。30分ほど茹でるということだが表面がふやけたり崩れたりしていない。
一本とって、つけ汁に浸して手繰るとするりと口に入る。さすがに噛まずに飲み込むわけにも行かないが食感は良い。程よい弾力で押し返してくる。芯に気持ち固めの強さが残るが噛み締めることで小麦の風味が口に広がる。一本一本を楽しみながら食べられる。一本の長さは50センチ程度で箸の扱いもしやすい。一本ずつ食べるのはなかなか面白いし口の中は丁度良い量になる。つゆは関東風鰹ベースのそばつゆ系か。ここのうどんにはよくあっている。
『姫うどん』と呼ばれる細打ちうどんもある。こちらは普通のうどんのような4から5ミリ程度のしなやかなうどんだ。姫うどんはかけで食べてみたのだが、この汁が美味しい。薄味の関西風である。うどんのやさしい食感は名前のとおり姫らしい。今度は姫を冷たいうどんで食べてみたい。
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