瀬戸内海ブイヤベース
キーワードは「何を食べているかはっきりわかり、味わいがぼけていない」こと。特にブイヤベースは妥協のない徹底した仕上げだ。もともとは地中海沿岸の漁師料理に端を発した料理ではあるが思ったほど日本で普及している料理とは言い難い。瀬戸内海の魚介類をふんだんに盛り込んだ内容のブッフェなら客は大満足だろう。ふんだんに盛り込んだと言う表現はありきたりだが、写真をご覧いただければ申し分のない食べ応えがあることがお判りいただけるかと思う。かなりのボリュームだが食べ飽きない味わいになっている |
かつてマルセイユのミラマールでいただいた名物のブイヤベースは味が濃すぎて舌に合わず食べ残した苦い想い出がある。しかし、ここは日本の瀬戸内海に面する姫路。食べ飽きないシンプルなスープに白身魚の出汁がほんのりと溶け込む。聞くと18種類もの魚介類が使われているという。やぼったさのない、綺麗な仕上げだ。素材をごっそりと入れるものの、全体的なバランスに最大限の注意を払っているとのことだ。これは〆の一皿としては十分なメインディッシュかも知れない。
食感がたまらない豚の内臓料理 |
手間のかかるフロマージュ・ド・テット(豚の耳や内臓のゼリー寄せ)のこりっとした食感や心地よい塩加減、赤カブの小さなスープの爽やかさ、内臓のローストが散りばめられたサラダリヨネーズ、定番のパテ・ド・カンパーニュはねっとりとした食感にフランスの定番郷土料理のエッセンスが閉じ込められている。
防勢港や鹿間港から届く新鮮な魚介類は魅力だ |
アッシュ・パルマンティエは福原シェフがフランス時代に賄いでよく作っていたものをモダンに再現したと言う。軽くバターの効いたドフィノアと挽肉の取り合わせは何かご飯にもあうような気がする。ブイヤベースをいただいた後にこの料理は、日本食で言うと〆のご飯にあたるのだろうか。
シェフの気持ちがこもったアッシュ・パルマンティエをぜひ楽しみたい |
値段も手頃なランチは連日大盛況だそうだ。この広いモダンな空間で楽しむ伝統的なフランス料理。最初は真新しさに惹かれてきたゲストもそのうち空間よりも料理に満足するに違いない。特徴がはっきりした伝統的なフランス郷土料理は瀬戸内海の恵まれた素材と共に新しいファンを増やすことだろう。
福原シェフは「正攻法でしっかりとした伝統的フランス料理を作ります」と話す。その力強い言葉は心地よく今も記憶に残っている。彼の作る料理をまたぜひ食べてみたい。
■姫路モノリス
兵庫県姫路市総社本町115
地図
電話:079-286-5858
営業時間
ランチ 11:30~15:00 1500円と2300円 +500円でデザート付
ディナー パーティーのみ営業とのこと
土日祝はウエディング営業
毎月第二水曜日のみ休日
※年末年始は12/29~1/1まで休業
1/2と1/3は期間限定のお正月ビュッフェ(3000円)が開催される。
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