フレンチ/全国のフレンチ

姫路モノリス(姫路)

昭和初期の歴史的建造物をモダンにリノベーション。そこでは瀬戸内海の素材を使った伝統的フランス料理が楽しめます。特にブイヤベースとアッシュ・パルマンティエには驚きを隠せない。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

姫路モノリス

日本には戦後もしくは戦前の古い建物が結構残っていたりするものだ。ここ数年の間に丸の内の日本工業倶楽部や明治生命ビルなど、かつての堅牢な外壁等々を残しつつ、新しいビルとして生まれ変わるプロジェクトはそれなりの実績を残していると言っていいだろう。それは地方にも飛び火して多くのクラッシックビルが再生している。結婚式運営会社のノバレーゼは老朽化した建造物を婚礼施設に再生し、新たなウエディングやパーティー事業の拡大を図っている企業として有名だ。
外観
歴史的建造物は大事に後世に残したい

姫路モノリスは築約80年という昭和初期の「旧逓信省姫路電話局」をリノベーション。平日はランチ限定レストラン、夜はパーティー需要のみの対応、休日はウエディングやパーティー専門の施設として目的とターゲットをぎゅっと絞り込んだスタイルで2009年11月9日より営業を開始した。外観はこれまでどおり重厚堅固な容姿を保ち、内装はモダンな形に仕上げている。クラシックモダンという言葉あるとしたらこれがぴったりと当てはまる。

料理はど真ん中のフランス料理だ。私はここで提供されるフランス料理を楽しむために、これまで通るだけだった姫路に初めて降りることになった。料理長の福原俊亮氏は辻調のフランス校を出た後、大阪のレストランを経てフランスのジョルジュ・ブラン、ボルドーやシャモニーのリゾートで研鑽を積む。その後神戸のレストランやホテルを経て、姫路モノリスの総料理長に就任した。
メインダイニング
スペースも余裕を持った作りになっている

福原氏は婚礼料理という枠に、真っ向からフランス料理をぶつけている印象だ。東京のポール・ボキューズ系レストランで提供される婚礼フランス料理より郷土料理色が強く、見た目と味わいのインパクトががっつりと感じらるものになっている。ただそれが受け入れられるかどうかまではわからない。しかし、コンテンポラリーなフレンチよりもクラシックなフレンチの方がやや分がいいことを考えると方向性は間違っていない気はする。
福原俊亮シェフ
福原シェフならではのフランス郷土料理に期待したい
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