フランス時代の痛快食べ歩き
メインディッシュは高尾豚のローストに長野は塩尻の専業農家から直接届けられる巨大なグリーンアスパラ。いや、びっくりするくらい大きなアスパラがどっかんと盛られた姿は圧巻だ。どっちがメインかわからない位だが、とにかくこのアスパラは一般には流通しない、マツシマだけのもの。この季節2ヵ月限定の逸品だそうだ。これまで多くのアスパラを食べてきたが、大きいゆえの味わいの凝縮感は格別。マツシマで味わう巨大アスパラは絶対に消せない記憶であることは間違いない。大きさは伝わるだろうか。。。 |
料理は全体的にシンプルでありながら、その中に微妙な複雑さを伴う味が気がつかない程度に隠してある。きっとそれは素材が持つ隠し味であり、料理人にのみ引き出されるものかも知れない。食べていて飽きることがなく、「もっともっと食べたい」と素直に感じられるコース仕立てになっている。
若くして店を構えた松島シェフだが、日本のエスプリを意識したフランス料理はどのように深化していくのだろうか。彼はこれからどんな素材で私たちを驚かせてくれるのだろうか。
ソムリエのスタッフとのトークも楽しい |
最後にランチもディナーも同じ内容、同じ値段である。昼だから安く、ではなく昼も夜も食べるということでは同じなので、同じ高品質の素材を使ってロスなく使い切ることがレストランにおける「エコ」だと言い切る。確かにその通りではないだろうか。最近プリフィクススタイルが減ったのはそういうところに理由があるのかも知れない。
焼き具合もちょうどいい「加減」だ |
帰りがけに、ひとり黙々と食事を楽しむ料理人がいた。恵比寿にあるブラッスリー・モリの森シェフだ。松島シェフとはフランス校時代の同期で、お互い定期的に行ったり来たりするそうだ。昨年1月に食事に出かけていたのだが、写真を撮っていなかったので記事にはしないでいたことを思い出した。これも何かの縁、恵比寿のモリにも近いうちに出掛けてみようではないか。
■キュイジーヌ・フランコ・ジャポネーズ・マツシマ(神戸)
神戸市中央区山本通3-2-16
地図
電話 078-252-8772
営業時間 11:30~14:00、17:30~21:00(要予約)
水休(祝日の場合は翌日休)
コース(税込・サ別)\3,990 \6,090 \7,875 \11,025 いずれも肉料理は選ぶことができる
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さて、今号はまだ続きがあるのです。