東京のフレンチ実力店!伝説のオヤジシェフ4人の復活(2017年)
休日のランチはテラスでもいただける |
伝説のクラブ・ニュクス
確か1992年頃だったか。私は会社員をやりながら環境ビデオの撮影やウエディングビデオの撮影編集などを手がけていたときのこと。勝ち鬨の倉庫街にクラブ・ニュクスという伝説のレストランがあった。経営者は藤井由美さん。不二家の創業者一族の方で今もレ・ザンファン・ギャテ(ミシュラン一つ星)など飲食店を展開するやり手の方。彼女がその倉庫をフランス料理店として開店した当時の初代のシェフは五十嵐安雄氏。銀座はマノワール・ダスティンのオーナーシェフであり、ブルギニオンの菊地シェフやシュマンの小玉シェフなど多くの料理人の師匠でもある。
当時クラブ・ニュクスは平日はトレンドに敏感な若い方々で賑わい、週末は一風変った空間でオリジナルウエディングを挙げるカップルで一年先まで予約でいっぱいの、まさに伝説の空間だった。
季節の図柄のポストカードにもセンスが溢れる |
その五十嵐氏の後を受けてシェフになったのが宮本雅彦氏だ。いわゆるクラブ・ニュクスの全盛時代だ。初めてお会いしたのはウエディングパーティーの時に料理の説明をしていた時のこと。独特の風貌で熱く料理を語る姿は未だ記憶に新しい。15年以上も前のことだがそれだけその空間と時代が強烈だったのだ。
小さなアミューズにも存在感がしっかり |
夏の暑い日に久しぶりに出かけて味わった料理は実に奥行きと深みのあるものだった。現代フランス料理とは一線を画すが決してコテコテのクラシックではない、フランス料理の一番美味しい部分、例えばマグロの大トロ、肉なら極上のヒレ、そんな部分を上手に切り取って宮本シェフ独自のアレンジで皿を彩る、そんなワクワクするような料理だったのだ。