フレンチ/フレンチ関連情報

ダニエル・マルタンの料理教室(3ページ目)

6月に彼自身の料理本「フライパン1本でできるお手軽フレンチ(サンマーク出版)」を出版し、レストランも10月にリニューアルオープン。まだまだやるじゃん、ダニエル・マルタン。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

料理教室で癒されるのもアリか

フランス料理
弱火で火を通すことで皮がぱりっと仕上がる
イトヨリのポワレは魚の焼き方の基本が学べるもの。弱火でゆっくりと火を通していく。そしてフードプロセッサーをうまく使ってソースに仕込む野菜を刻む。野菜はニンジン、セロリ、リンゴ、タマネギだ。バター、生クリームをいれてカレーの風味をつけてソースを作っていく。これは段取りさえ間違えなければほぼできるのではないだろうか。難易度偏差値は55としよう。

見ていて感じたのは比較的大雑把に味を整えていることだ。そして、手を抜くところは抜いて、効率と時間を優先してサッササッサと料理を作り上げていく。舞台のスピーディーなシーンチェンジの如く芝居を見てるかのように調理されているものが出ては消え、消えては出てくる。この熟練の技だが、私たちが学ぶのはここでは段取りよく料理を仕込んでいくこと。

フランス料理
話し出すと止まらないのも彼の魅力
偏差値はともかく、素材と火入れ、そしてソース作りを複数こなすには当然のように技術がいる。ただし、ダニエル氏のトークが実に楽しいので、それだけでフランス料理は楽しいなあ、なんて思うかも知れない。

そのあとはお待ちかね、出来上がった料理をみんなでいただくランチが始まる。ワインも用意されて、マリアージュもしっかり楽しめる。生まれ育ったオーヴェルニュの田舎町の話など聞いていると、フランスとの距離がずっとずっと近くなっていく。

フランス料理
決して平坦ではない人生を刻んできた表情には、今やある種の余裕とゆとりが見て取れる。数多くの栄光と苦労が滲み出るダニエル氏の笑顔を見ていると、料理教室で癒されるのもアリだな、などと考えほろ酔いで教室を後にした。


フライパン1本でできるお手軽フレンチ(サンマーク出版)」ちなみに初版はほぼ完売し、2刷が店頭に並んでいる。

料理教室 エコールダニエル・マルタン

レスパドン」最近リニューアルオープンしたマルタン氏のレストラン。より気軽なコンセプトで生まれ変わった。

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