フレンチ/フレンチ関連情報

トロワグロ(新宿小田急百貨店)

フレンチガイド初のお持ち帰りフレンチのご紹介。必要に迫られてたどり着いたのはトロワグロの繰り出す見事な料理でした。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

トロワグロ
ちょっとお洒落で美味しいイメージだ

お持ち帰りできるトロワグロ

トロワグロのレストランについては以前の記事、キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロに書かせていただいた。本国ではミシュランの三ツ星に40年もの長きに亘って輝き続ける未だ現役のレストランだ。何がすごい、これがすごいということは置いておいて、今回の記事のテーマはトロワグロのお惣菜メニューについて書いてみたい。お惣菜と言うとデパチカの量り売りやパック詰めという印象で、日常生活に特に必要としていないので私もこれまであまり買ったことはない。進化していてとても美味しいと評判は聞くが、ちょこちょこっと買うなら自分で作る!などと意地を張っていたりもしたかも知れない。

たまたま仲間内で小さなテースティングの会を開催することになった。場所は南青山ワインインポーター、ブリストル・ジャポンのテースティングルーム。ちなみにオーナーのラドセット男爵はロワールやブルゴーニュに畑やシャトーを多く所有し、日本でも自らが輸入業者となり、三ツ星レストランから街場のビストロまで広くオンリストされている信頼できるインポータである。

トロワグロ
シンプルでセンスのいいパッケージ
さて、そのパーティーなのだが料理をどこからかケータリング、もしくは買ってこなくてはならない。シェフを呼んで大々的にやるようなスペースと設備はないので、ここはデパチカで買い出しか!と思いきやグルメなゲストは普通のお惣菜では満足するわけがない。

うーん、困った。。。時間もない。。。

そこで思い浮かんだのがメゾン・トロワグロのお惣菜。新宿小田急百貨店地下にあるトロワグロ・ブティックはバゲットを買う位でしか行ったことはなかったのだが、調べてみるとキチッとしたフランス料理が温めるだけでそのまま使えることがわかった。

パン
甘い香りが飛んできそうだ
トロワグロと小田急百貨店のつながりは非常に古く、1984年まで遡る。84年というとトゥールダルジャン、アピシウス、シェ・イノといったレストランが開店し、フランス料理という非日常的な世界の夜明けともいうべき時代の始まりに近い頃といえるだろう。80年代前半は現在ベテランシェフとして未だ第一線で活躍している著名な料理人がフランスでの修行から帰って来た頃だ。その後フランス料理を目指す料理人も爆発的に増え、食材の流通も盛んになり、フランス料理の垣根が少しづつ低くなって認知度が高まったのは90年代に入ってからの話なのだ。

当時からフランスで三ツ星レストランとして揺るぎない地位を確立していたトロワグロ。現在の三代目、ミシェルは年に一度は来日し、レストラン、そして百貨店に並ぶパンや惣菜、デザート、コンフィチュールの類まで細かく目を配るという。持ち帰りのできる料理に関しては何度も何度も試作を繰り返し、一切の妥協のない姿勢で業務指導を行う。

実に長きに亘るパートナーシップに日本の一百貨店とフランスを代表するレストランとの強い絆を感じるとることができる。儲けだけを考えたり、言いなりにやっているだけでは20年以上も続く訳はないのである。
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