フレンチ/東京のレストラン

ラブレー(代官山)(2ページ目)

冬でも花が咲き乱れるラブレーのテラス。軽やかなフレンチとは対極にあるどっしりとした料理にファンは多い。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

脂が旨いタスマニアの仔羊に

フランス料理
ちょっと贅沢な一皿だ
今回はフルコースで、ということで魚はスズキのポワレにムール貝が添えられたもの。ムールは世界遺産モンサンミシェルから届いたもので、殻は小さいが身は厚くしっかりしているのが特徴だ。ピューレは余計だなと思ってあとでシェフに聞いてみると、魚の皮とくっつける接着剤の役割を果たしているとのこと。なるほど。

メインディッシュはタスマニア産、仔羊のローストにゴルゴンゾーラのソースを添えたもの。この羊がたまらない。特に脂身は見事で、きっとこれを羊の世界では極上のサシとでも言うのだろうか。思えば豚の世界でも三元豚、白金豚、古代豚などなど皆、脂が旨い。味をある脂身は、子供の頃嫌いだったそれとは大きく異なるものだ。

フランス料理
脂身を上手に活かすのも高度な技術が伴う
ゴルゴンゾーラは力強い仔羊の味わいと戦う冒険的なソースだ。ややもすると飽きてくる可能性もあるが、ここはワインのお力を存分に借りることによって劇的に変化する。料理とソースとワインがとんでもなくハイレベルで身体に染み入るのである。

ワインはサンジュリアンのシャトー・ヴェイシュベル1999。程よく熟成したカベルネ・ソーヴィニオンは強いソースをものともせず、羊の脂だろうがなんだろうが大きく包みこむ力がある。熟成も進み、強い味わいではないが、その分料理を邪魔しないおとなしさを感じさせるようなワインに変化している。

さて、デザートはムースやケーキが10種類程度並び、それを好きなだけ楽しめるデセールワゴンがやって来る。さすがに別腹とは言え、つらいものがあるのだが、気がつくと3つほどのデザートを完食。

フランス料理
欲張らずに3種類くらいに留めたい
テラス席に目をやると、大きな毛むくじゃらな犬を連れたご夫婦がデザートを召し上がっていたり、店内も休日のせいか、家族連れや老夫婦が目立つ。もちろん女性同士の賑やかなガールズトークも心地よく店内にこだまする。

一口に20年というが、オーナーの山田恵氏は店舗数を増やすことなく、一つの店を料理人と共に時間を刻む。料理人が卒業すべき頃には次に行くべきレストランを紹介し、そして自店にはこれから伸びそうな若い料理人を招き、鍛え上げていくという人材育成のプロでもある。

これからの華やぐ季節にお薦めできるレストランの一つであることは間違いない。

ラブレー
渋谷区恵比寿西1-30-13-203 
TEL 03-3780-3090
info@rabelais.jp
ランチ  12:00~14:00 (L.O)
ディナー 18:00~22:00 (L.O)
メニューやお値段はこちら
水休
東急東横線代官山駅正面出口 徒歩5分程度
東京メトロ日比谷線・JR恵比寿駅西口 徒歩6分程度
地図
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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