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驚くべきアスパラ料理(フードフランス)(2ページ目)

今年もフードフランスが青山のブノワで始まった。オーヴェルニュ地方はクレルモン・フェランからやってきた料理人、フレデリック・クールソル。人懐っこい笑顔は恐ろしく創造性に富んだ料理を運んできた。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス料理
様々な味わいが一度に楽しめるアミューズの数々

自然の宝庫オーヴェルニュ

5歳のときから料理に親しみ始め、ノルマンディー出身の祖母にくっついて焼き菓子を作っていたんだ、と懐かしそうに話す。料理人になることについてはその頃から自然に考えていたに違いない。幼少時の食の記憶については仔牛のエスカロップやリシュトゥというチョコレートのムースなどが大好物だったようだ。

思えばこれまで様々な料理人にインタビューしたが、ポール・ボキューズピエール・ガニエールジャック・ボリーもお祖母ちゃんの料理を鮮明に覚えていて懐かしそうに話してくれたものだ。

フレデリック・クールソルも偉大なシェフ同様、遠い記憶の美味しい思い出を懐かしそうに話す。その姿には素朴な可愛らしさが漂う。

豊かな自然に恵まれたオーヴェルニュ地方はミシュランタイヤの本社があることでも有名だ。身近なところでは天然水のヴォルヴィックの採水地といったほうが早いかも知れない。また良質な天然水を生み出す自然の宝庫とも言われる。

「秋にはリエーブル(野うさぎ)やベカス(山しぎ)が旨いぜ」と話すシェフに「ベカスはフランスでも禁猟じゃないの?」と突っ込むと、「あはは、獲っちゃいけないからメニューには載せられないんだよね、でも何故か食べに来るお客が後を絶たないんだ(笑)。」地方ならではの自然と食を楽しむなら秋は欠かせない季節のようだ。

さて、彼の作り出す料理は実に創造性に溢れている。軸となる素材をまっすぐに立てて、その周りを楽しいアイデアで包み込む。彼の人なつっこい笑顔が料理に埋め込まれているようだ。

様々な食感と味わいをほんのりと伝えるアミューズから彼の世界にぐぐっと入っていくことになる。
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