フレンチ/東京のビストロ

【閉店】トロカデロ(下北沢)

現在は旧トロワグロスタッフが「プティ・デビュー」という店名で同じ場所で営業中。下北沢の雑踏を抜けるとそこはサンジェルマン・デ・プレか!と思えるようなビストロ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

遥か昔の学生時代、井の頭線沿線に住んでいた私は、友人と連れ立ってシモキタに行くことが結構な楽しみだった。グルメというより雑貨屋さん巡りだったのだが、狭い路地にひしめく個性的な店舗は若い学生にとっても魅力溢れるものだった。

それは今も変わらない。興味はグルメに移ってしまったがこじんまりとした個性的なレストランが軒を連ねる風景はあの当時と変わっていない。下北沢でフレンチといえばルグラン・コントワーくらいで、それ以外となると意外と少ないことに気付く。

下北沢は北口と南口では表情がだいぶ異なる。賑やかなのは南口の方だろうか。そういえば昔南口のマクドナルドが火事になったかなあ、とかスパゲッティの「かくれんぼ」はよく通って特に「お嬢スパ」が好きだったなあとか、その当時の思い出の世界に入り込んでいってしまった。

さて、数少ないフランスの友人ポーリーヌが久しぶりにパリっぽいビストロでご飯を食べたい!騒ぐので連れ出したのが今回ご紹介する「トロカデロ」だ。「日本にこんなビストロがあったのか」とここを選んだのだのは驚かせたかったから。そして、自分自身もパリを街を彷徨っていた時間を久しぶりに思い出したかったからだ。

ちなみにトロカデロという名は16区にあるパリの地下鉄の駅の名前。エッフェル塔の近くと言えばわかりやすいだろうか。

下北沢駅の北口を出て右手の商店街を抜けて突き当たりをさらに進む。これがパリならなんとなく自分自身馴染みがあるサンジェルマン・デ・プレの駅を出て雑踏を抜けてパーヴレ教会の横を入り。。。となるのだろが、まあここは典型的な日本の雑踏。5分以上は歩くだろうか、やっと辿り着いたそのドアを開けると、そこはホンモノのパリのビストロがある。赤いベンチシート、奥には小さなカウンター。手作りの壁や、絶対に日本人には出せないヨーロッパのテイストか。

食事をする前に、そのパリの雰囲気の中で、しばし気持ちを落ち着けたい。もしも高まる気持ちを抑えるならやっぱりビール!かも知れない。

3500円からお薦めメニュがあるが、アラカルトでガンガンオーダーした方が楽しいだろう。
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