フレンチ/東京のビストロ

【閉店】トロカデロ(下北沢)(2ページ目)

現在は旧トロワグロスタッフが「プティ・デビュー」という店名で同じ場所で営業中。下北沢の雑踏を抜けるとそこはサンジェルマン・デ・プレか!と思えるようなビストロ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

外国人サービスマンの粋な説明に、あれはこれはと聞きながらのメニュー選びはとても楽しい。パテやサラダ、スープ、鴨のコンフィや煮込み料理などオーソドックスなビストロ料理が勢いよく並んでいる。

ワインはラングドック地方のものを中心に3000円前後の価格帯。このビストロでは小さなワイングラスでぐびぐびと薀蓄垂れず楽しみたいものだ。

パテやリエットの味わいは淀みなく詰められた豚肉のねっとり感がストレートに伝わり、程よい塩加減にほほが緩む。チキンの煮込みはクリームソースとパスタを絡めて味わいを一層深くする、ボリュームたっぷりの一皿。

全体的には小細工の無いストレートな料理ばかりなので、それに応えるには骨がある料理は骨をしゃぶり、ソースがある料理はパンでどんどん掬いたい。すべてのメニューには
フランスのライヨール製ナイフが添えられ、正統なビストロであることのこだわりが垣間見える。

混雑すると、うるさくなるという点ではハレの日のレストランとは言えないかも。しかしフレンチ大好きな人がちょっとしたサプライズ感を期待し、食事や雰囲気を楽しみたいときには絶好の一軒だろう。

「ねえ、最初は雰囲気に驚いたかもしれないけど、料理もなかなかいいでしょ」と最後に言ってあげよう。ご馳走になったとしても財布が傷まない程度なので、ご安心を。

さあ、楽しい食事のあとは会計を済ませて2階3階へと続く階段を上ると「パリの夜はこれからだ!」という気分になるに違いない。パリジャンはここから愛を語り始めるのである。

トロカデロ
東京都世田谷区北沢3-30-3
3467-1991月休
わかりづらい場所にありますのでサイトから地図をご確認下さい。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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