フレンチ/東京のレストラン

エル ブランシュ(麻布十番)

麻布十番に忽然と現れたフレンチの新生。白を基調にしたダイニングの奥にはシェフズテーブルとも言える大理石のカウンターがある。ご兄弟で営む白い世界が心地よいエル ブランシュ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス料理
今年最も記憶に残る料理の一つになるかも知れない
5月30日に再訪。新メニューであるホロホロ鳥を食べに行く価値は十分にありそうだ。特にマッシュルームや赤ピーマンを詰めた胸肉は圧巻。ヴォーヌロマネのワインを使ったソースはやさしく肉の旨みと一体になる。ナイフを持つより手でがっつりいったほうがいいかもしれない。当然合わせるべきはブルゴーニュのワイン。完璧なマリアージュが楽しめるだろう。
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フランス料理
シンプルで品のあるロゴ

1997年

1997年は私にとって非常に思いで深い年。ワインブームというものが突然沸き起こり、私のような単に、美味しいもの食べるの大好き人間が、ワインを間に立てたリアルなネットワークを通じて、友人関係もどんどん広がり、今考えてもいろんな意味で大きな転機となった年。

97年の夏に伊藤忠商事に勤める友人からお誘いを受けて一緒に出掛けたのが開店した日の西麻布にあるキャビスト。いわゆるワインバーだ。開店パーティーなんて初めてだったにもかかわらず、そこは非常に楽しいサロン。そこに居合わせたユニークな方々とは今もお付き合いさせていただいており、当時の話を思い出すときりがない。

パン
バターも自家製だ
その後キャビストは同じオーナーのもと、スタッフや内装を何度か変えつつ、変りつつ、今日もこだわりのブルゴーニュワインの香りを漂わせている極めて全うなワインバーとして健在だ。

そこで店長兼ソムリエを勤めていた小川氏が料理人であるお兄様と、近い将来独立してフレンチレストランを開くという話を耳にしたのはもう随分前の話になる。

そのお兄様は大崎にあるフレンチ、ラフェ・クレールの料理長として腕を振るった方。箱根のオー・ミラドーを皮切りとしてフランスの各店で修行後ラフェ・クレールの料理長に就任し、満を持しての独立となったわけだ。小川氏がシェフとは知らず何度か食事に出掛けたが、野菜の使い方が非常に上手で、ちょっとした塩の振り、微妙な味加減のソースで素材一つひとつをぐぐっと色めきたてる確かな技術が感じられたことを思い出す。

さて、場所は麻布十番。飲食店激戦区にオーナーシェフとして乗り込んだレストランはどんなところなのか。
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