エル ブランシュ（麻布十番）(3ページ目)

ときめく気分になる最初の一品

アミューズから驚く

アミューズで出された小さな一皿は、ズッキーニとナスのピューレが添えられたそば粉のガレット。蜂蜜も忍ばせてあり、甘みと酸味と微妙な苦味が舌の上でぐるぐると回り出す。シャンパーニュで洗い流す瞬間の心地良さもたまらない。

繊細さの中にさらに繊細さが込められた野菜料理

非常にシンプルに見える前菜は実に手の込んだものだ。福井県丸岡町にある久保田酒造の仕込み水を使ったという野菜のアスピック。アルガンオイルソースがいいアクセントになっているが、決め手は微妙に振られた塩だろう。私はもう一振り欲しかったところだがこれは好みの問題。微妙に物足りなさを感じつつも、料理人の仕事ぶりが感じられる一皿だ。

とろりとした食感が楽しめる高品質なフォアグラを使用している

焼き苺が添えられたフォワグラのポワレ。これは高品質のフォアグラを結構なボリュームで切り分けて、シンプルにソテーしたもの。すぐ目の前で繰り広げられるフォアグラへの火入れは見ていても非常に面白い。表面がカリッと固められ、中はとろりと柔らかいフォアグラはシェリーヴィネガーソースで締められ、五感は伝統的美食の世界へまっしぐら。

上品なソースが魚の旨みをさらに引き立てる

グリーンアスパラガスが添えられたホウボウのポワレには、しっとりとしたソース・ブールブランがひかれる。これも非常にシンプルながら、落ち着きを放つ魚料理の見本のような料理。

そしてお目当ての肉料理は？