フレンチ/東京のレストラン

エル ブランシュ(麻布十番)(2ページ目)

麻布十番に忽然と現れたフレンチの新生。白を基調にしたダイニングの奥にはシェフズテーブルとも言える大理石のカウンターがある。ご兄弟で営む白い世界が心地よいエル ブランシュ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

カウンター
シェフと向き合う特等席か

生産者の顔が見える野菜たち

ピーコックの真向かいの新築ビル5F。エレベータであがるとそこがレストランのエントランスになる。すぐ右手に完璧なる空調設備を持つ独立したワインセラー、小さな個室、そして奥はダイニング、さらにダイニング奥から続く右手には独立したカウンターがある。そう、そこはストーブの前に立つシェフと向き合うまさにシェフズテーブルなのだ。

総席数で言うとカウンターも入れて23席程度の小さなレストラン。しかしそこには狭いながらも上記のように、座る場所により見え方と感じ方が変る工夫がなされている。

開店日は2007年3月9日。出来立てほやほやの白い空間、エル ブランシュ。奥のカウンターの居心地は慣れてくるとなかなか快適だ。衝立もないすぐ先には電気調理機材が並ぶ。奥にはスチームコンベクションオーブンの姿も。白い大理石のカウンターを前に気が引き締まるような気がするが、シェフの柔らかな表情ですーっと気持ちが和らぐ。

フランス料理
シェフはすぐそこにいる
手を伸ばせば届くところで、調理しているので肉を焼くときには当然肉の匂いが立ち込めるし、煙も一瞬だが沸き立つ。ちょっと煙いと感じるときもあるが、それだけにライブ感は抜群だ。

さて、現時点での小川シェフの料理はいたってシンプル。ご自身のブログでも、身体に優しいフレンチという言葉を使い、ほとんどの野菜を無農薬で、それもご自身の出身地である福井県の契約農家から取り寄せていると聞く。またフランスのシャラン産鴨肉はビュルゴー家の生産によるもので、生産者まで電停して仕入れるところにこだわりを感じる。

しかし、健康志向のこの時代、生産者の顔が見える野菜や肉に驚くことは何もない。食べる側からすれば、その野菜なり肉なりがどう料理されて出てくるかだけなのだ。

メニューは6300円と10500円の2コースのみ。アラカルトはもう少し落ち着いてからということだ。
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