フレンチ/東京のビストロ

ビストロカンパーニュ(蔵前)(2ページ目)

前号に続き蔵前シリーズ二回目。気軽に楽しめるボリュームたっぷりのビストロ料理の他に、強烈にこだわりをみせるものがあった。それ一体?!

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス料理
ビストロの定番!!と言えばパテとオニオンスープだ。

素朴なフランス田舎料理の数々

さて、メニューには素朴なフランスの家庭料理が豊富に並ぶ。私の大好きなオニオンスープを発見し、迷うことなくオーダー。熱々のココットに入ったスープは相当の量の玉葱を豪快に炒め、そこそこ原形をのこしたままスープにつかり、甘みを派手目に表現した気合の一皿か。

メインはウサギのプロヴァンス風煮込。うーん、写真以上にボリューム感があってそれはそれでとてもうれしいのだが、その時の私の味覚では少し大味気味に映りこむ。体調やワインとの相性によっては食べ疲れてしまうことがあるかも知れない。要は味わいのメリハリが足りないような気がしたのだ。

フランス料理
トマト煮込みの味わいに一工夫欲しかった
思い出せばフランスの田舎町にあるビストロで食べた料理はみなこうだった。ローストされた肉がどっかんと皿を陣取り、そこに濃い赤ワインやバターのソースがたっぷりとかかっている。なんとか平らげた後にチーズが出てきて、そのあとにこれでもか、と砂糖の塊のようなショコラが出てくる。それでもゆっくりと平らげて、旨かったなあ、と思えるのはそこにある空気がフランスだからに他ならない。

3800円位の値段でデザートまで付くコースをウリにしているビストロがあるが、その中には単に肉を焼き、ソースをかけるだけの良く言うとシンプル、悪く言うと『大味』な料理を提供しているところが多い。そんな時にはミラヴィルの都志見シェフがかつて「どんな料理も気を利かせなくてはならない」と言ったことを思い出す。どんな料理にも必ず料理人の一工夫がなくてはいけない、と。

上記のメインには胡椒を効かせるだけで、味わいのアクセントがつけられるかもしれない。またガーリックを効かせたアリサ(モロッコの香辛料)が添えられていると、味わいが広がるかも知れない。
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