フレンチ/東京のビストロ

【移転】ラ・プール・オ・ポ(池袋)

池袋から帰宅東十条に移転しました。感極まるオーヴェルニュ地方の郷土料理オンパレード!!これから始まるフレンチのカントリートレンドはここにからスタートするのかも。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス
半地下の階段もエスプリでいっぱい
いや、凄まじく満足したフレンチをぜひお知らせしたいです。今日の5月26日のランチに行ってきたのですが、2000円でここまで迫ってくるとは!!オーヴェルニュ地方の郷土料理に頑なにこだわったシェフの一皿一皿には、漲る情熱があふれんばかり!!日常的な素材に対し、チーズやハーブを見事に効かせてフランスの田舎の風景を蘇らせる料理には、やっぱりフレンチは奥が深い、そして広い!!ということを改めて感じさせてくれるもの。

と、酔いも醒めて落ち着いたところでこの記事を書いています。
行った当日に書くのは初めてかもしれません。


アミューズ
アミューズもこのほかもう一皿サービスされる
このレストランのことについては、アラン・デュカス氏の弟子の一人でもあるクリスチャン・ジュリヤール氏から前日に聞いたばかりの話。彼はベージュ東京のダビッド・ブラン氏から聞いたというフレンチコネクション。クリスチャン曰く「オーベルニュ地方(都市で言うとクレルモン・フェラン、フランスのちょうど中心部あたり)の郷土料理を出すレストランで、おまけにワインも珍しいものが多く、値段がぶっ飛ぶほど安い!!そしてシェフはフランス人なんだ。」と。

そりゃ、行かねばなりませんな、ということで、平日の昼間に自由に動ける食べ歩き仲間を当日集めて、早速訪問。

とにかくネットでは1件しか情報を発見できず、まあ、場所的にワンプレートランチでもあるだろうと、お気軽な気持ちで出掛けた訳です。

まぐろ
素朴な一皿にフランスの田舎町の風景が浮かぶ
しかし。

気がつくともう夕方近く。2時間以上の時間の中で前菜は追加するわで、ほとんどフルコース、ワインもたっぷり飲んで、おまけにシャテルドン(微発泡の天然水)を飲んでルイ16世気分を味わい、知らなかった世界を知ってしまった喜びに震えながら、払ったお代は「あれ、たったのこれだけ?」

話は前後しますが、店に入ったときに思ったことは「あれ、シェフは日本人じゃん、聞いていた話と違うよなあ」。

ところが。

プロバンス
カジキ鮪とプロバンス風のスープ
食後にマダムと話し込んでいくとわかったのですが、シェフは韓国籍で幼少の頃フランス人に引き取られ、フランス人として育てられたとのこと。パリでの修行時代にはオザミの丸山氏やFeuの下村氏らと親交があったようです。その後育ったオーベルニュ地方のクレルモン・フェランでレストランを開き、その後マダムの出身地であり、自分もアジアの血を引いていることから、東京で店を開いた、という経緯と聞きました。

なので、シェフは見た目は東洋系でもフランス語を話すフランス人。昨今の韓流ブーム、TVで見るイケメン俳優たちにも一歩も引けを取らないかっこいいシェフであります。

マダムのお母様がサービスにあたり、心のこもったサービスはとても安心。プロではないので都心の小洒落たレストランとは違いますが、とってもいい雰囲気を醸し出しています。マダムの弟さんもサービスにあたり、一家総出でレストランを切り盛りしているのです。

ソーセージ
豚肉加工品はワインのおつまみとして相性は抜群
それが、とても素晴らしい。本当にいい時間が流れています。

自家製のソーシスンも実に味わい深く、次回は地元の赤ワインとソーシスンの取り合わせでじっくりと酔いたいなあ。

デザートも手抜きなし。イル・フロッタントという地元のデザートはメレンゲをカスタードのスープで浮かせた、ここ最近の料理の中ではサプライズ!!な一皿。

3人でお腹を抱えて店を出たときに、同じくして出た言葉は、

「ああ、幸せ」

ポテト
付け合せのポテトもこのボリューム!!
それは昼真っから飲んで食べていい気分になれば幸せなんですが、それ以上に久しぶりに味わう、サプライズ感、個性溢れる料理、素人っぽいけど実に味わいあるサービスにフレンチの奥の深さ、そして広さ、このレストランを知った「幸せ」を感じたのでした。

ワインもオーヴェルニュのものがあります。すっきりとしたシャルドネは癖のない、料理を邪魔しないもので値段も3000円台から5000円台ととてもリーズナブル。

さあ、池袋方面の方、そうでない方もぜひお腹をすかしてガッツンと行きましょう!!あー、久しぶりに薦めがいのあるレストランを発見しました。

デザート
デザートも素朴ながらサプライズ感がしっかり
ラ・プール・オ・ポ
豊島区西池袋5-28-3 ノアビル1F 
3959-8820
11:30~14:00(ランチ)
18:30~23:00(ディナー、ラストオーダーは21:00)
日休
夜のコースは3800円と4600円の2コースがありますが、できればアラカルトでいきたいところ。

地図
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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