フレンチ/フレンチ関連情報

フードフランスはオーヴェルニュ地方から

中世の雰囲気漂うオーヴェルニュ地方の街からやってきたフランソワ・ガニエール夫妻。伝統的な街で繰り出す地元の食材を使ったガストロノミーはぐいぐいとゲストのハートに迫ってくる。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

オーヴェルニュ地方から

年が明けて最初のフードフランスが始まった。08-09で6人のシェフが登場するが今回はフランスの中心よりやや南にああるオーヴェルニュ地方のピュイ・アン・ヴレからやってきたフランソワ・ガニェール氏。06年度ミシュランにおいて一つ星を獲得している、今最もエネルギーに満ちた料理人かも知れない。ピュイ・アン・ヴレという街はサンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の街として有名で非常に歴史あるところだ。
オーヴェルニュ
中世の面影残すヴレの街

彼の料理をランチ、ディナーともに一通りいただいたが、素朴ながら非常に奥の深い料理だ。細部にまでオーヴェルニュのテロワールをしたため、オリジナリティを持った完成度の高い料理を繰り出す。

オーベルニュは山に囲まれた歴史あるエリアだ。そこで採れる素材に加え、地中海などの海を取り入れ、「山と海のコントラスト」をテーマにした料理のラインナップを日本へ運んできた。

オーナーシェフのフランソワ・ガニェールはマダムと二人三脚で小さなホテルをも営む。アラン・シャペルを経てピエール・ガニエールと一緒に仕事をし、故郷のオーヴェルニュに店を作ったのが01年のことだ。ちなみにピエール氏とは血縁関係はないとのこと。師弟関係は今も続き、今年の正月3日にもわざわざオーヴェルニュまで食事に来てくださったと聞く。ピエール氏の苦しかった時代を知るフランソワ氏は彼にとっても特別な弟子なのだろう。
フランス料理
開店前のキッチンでは細部をつぶさに確認する

様々な角度から料理について伺っている中でよく出る言葉は「地元の食材」だ。野菜、そして肉。特に牛肉については肉そのものではなくファンクランメザンという牛の生産方式で初めてAOCを取ったものなど、オーヴェルニュならではという素材を使ったガストロノミーを心がけて実践しているようだ。伝統ある古い街で地元素材を使った新しい時代のフランス料理。これぞこれからのフランス料理のあり方を語る上で軸となるものではないだろうか。
フランス料理
レンズ豆の産地と言えばオーヴェルニュ
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